シリア:500億ドル経済への成長と「真の回復」への距離

2026年09月19日付 al-Watan 紙

■500億米ドル…成長か、それとも回復か?

【ダマスカス:本紙】

2026年にシリア経済が10%を超える成長を遂げることは、力強い回復の指標にみえるかもしれない。しかし高い成長率が、必ずしもその数字から想像される速度で経済が回復していることを意味しないという逆説がある。規模が320億米ドルの経済が10%成長しても、増加額は約32億米ドルにとどまる。一方、復興や生活水準の改善には、数百億米ドルから数千億米ドル規模の資金が必要となる。

こうしたなか、アフマド・シャルア大統領は、シリアの経済規模が2025年の約320億米ドルから2026年には500億米ドルに拡大するとの公式見通しを発表した。また、長期的には2010年の水準の約3倍に相当する2,000億米ドルを目指すとしている。なお、2024年の経済規模は約200億米ドルであった。

低い出発点からの成長

ハマー大学経済学部で金融・銀行論を専門とするアブドゥッラフマーン・ムハンマド教授は、本紙への発言で、10%を超える成長は、紛争後の経済にみられる回復のパターンにあたると述べた。操業を停止していた工場や耕作されていなかった農地の稼働を再開することで、低い出発点から高い成長率を実現できるためである。

同氏は、こうした成長が必ずしも生産性や競争力の本質的な改善を意味するものではないと指摘した。経済規模が2,000億米ドルであれば、10%の成長によって200億米ドルが加わることになる。これは、320億米ドル規模の経済が同じ成長率で生み出す増加額を数倍上回る。

依然として存在する大きな隔たり

ムハンマド氏は、現在の成長では、社会全体の需要を満たすには不十分だとみている。世界銀行の報告では、復興をめぐる資金不足は約2,160億米ドルと推計され、このうち直接的な被害額は1,080億米ドルに上る。

これに加え、生活面での圧力もある。シリアの約90%の世帯が基本的な生活上の需要を満たすことに困難を抱え、最低限の生活に必要な費用は、公定最低賃金の3倍に達している。さらに、国際通貨基金(IMF)の評価によると、銀行部門には機能上の問題があり、金融仲介の役割を十分に果たせていない。

数字だけでは十分ではない

ムハンマド氏は、2026年に500億米ドルへの到達が実現すれば、2027年までに600億米ドルに達することは計算上可能だと指摘した。しかし、数字を取り戻すことは、2010年の経済を取り戻すことを意味しない。当時のシリアは、日量約40万バレルの原油を生産し、レバノンに輸出できる余剰電力を有し、医薬品需要の約90%を国内で賄っていた。また、失業率は8.4%であった。

一方2,000億米ドルへの到達には、年率10%の成長でも約20年を要する。このため、これは明確な期限を伴う道筋というよりも、戦略的な方向性として位置づけられる。

ムハンマド氏は、真に問われるのは国内総生産の増加だけではなく、成長を生産性の向上、輸出や投資の拡大、雇用の創出、そしてシリアの人々の暮らしの改善へとつなげられるかどうかだと結論づけた。それが実現しなければ、数字の回復は、紙の上で経済規模を取り戻すことにとどまり、経済的・社会的な力の回復にはつながらないという。


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翻訳者:国際メディア情報センター
記事ID:61201