シリア:イード出費が「大衆品」でも公務員月給の5倍に

2026年03月17日付 al-Watan 紙

■シリアのイード出費、5人世帯で最低600万ポンド…公務員は「大衆品」でも給与の5倍が必要になる

【ダマスカス:本紙】

ダマスカスおよびその周辺地域を管轄する消費者保護協会のマーヒル・アズアト副会長は、5人家族がイードに向けて衣料品、菓子類(焼き菓子・キャンディー)、塩味のつまみなどの必需品をそろえるには、最低でも600万シリア・ポンドが必要になると述べた。いわゆる大衆向けの品質を選んだ場合でこの水準であり、ブランド品など高級品を購入する場合は1,000万シリア・ポンドが必要になるという。

同氏は、一般的な公務員給与が平均で100万シリア・ポンド程度であることを踏まえると、大衆品でそろえる場合ですら、イードの支出を賄うために給与の5倍が必要になると指摘した。

所得低下で外貨送金や「換金」へ

アズアト氏は本紙に対し、所得の低迷と購買力のぜい弱により、幅広い層がイードの必需品を買えない状況にあると説明した。そのため一部の家庭は、海外在住の子どもや親族から届く海外送金に頼って費用を捻出しているという。別の家庭では、必要資金を確保するために貴金属などの貯蓄を売却する動きもみられる。

さらに、衣料品価格の高騰が著しいため、多くの親が自分たちの服の購入を断念し、子どもの分だけを買うケースが増えていると述べた。

子ども服は大人服より高い局面も

同氏によれば、幼児と若者では「一式」をそろえる費用が異なり、現状では子ども服の価格が紳士服より高い場面すらあるという。大衆品の範囲で、4歳前後の子ども向けに靴まで含めた上下セットをそろえると、およそ50万シリア・ポンドに達する。これが著名ブランドなどの製品になると、同じ年齢層でも100万シリア・ポンドを下回らないとしている。

価格上昇と、菓子の「不正」への懸念

衣料品価格は前年に比べて少なくとも15%上昇したほか、菓子類の価格も上がっているという。アズアト氏はまた、菓子の製造過程での不正やごまかしが広がっていると指摘し、とりわけ大衆品の菓子では、硬化油などの脂肪・油脂が混入される例があると述べた。これらには世界保健機関(WHO)が禁じる種類のものも含まれるとして、現在の食品安全に関する市場監視は「ほぼ欠如している」に等しいとの認識を示した。

祝祭商戦でも「異例の不振」

同氏は結びとして、衣料品と菓子の市場は大きく前例のない停滞に見舞われており、販売の動きは最低水準にあると説明した。とりわけ衣料品は販売不振が深刻で、売れ行き低迷と資金繰りの圧迫を背景に、従業員の給与を確保するため、損失を承知で値引き販売に応じる用意がある工場主や商人が増えているという。


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翻訳者:国際メディア情報センター
記事ID:61818