イスラエル:英国で「国境なき医師団」禁止のロビー活動

2026年09月14日付 al-Quds al-Arabi 紙

■「まったくもっておぞましい試み」:英国の「イスラエル・ロビー」、「国境なき医師団」の禁止を目指す

【ロンドン:本紙】

イスラエルの占領を支持する英国の圧力団体は、英国政府に対し、「国境なき医師団」の調査と活動禁止を検討するよう求めた。これは、イスラエル軍によって殺害された同医師団のスタッフ2人がパレスチナの武装組織とつながりを持っていたとの主張に基づくものだが、同医師団はその主張を裏付ける証拠を示していない。この圧力団体が国際的な医療支援団体に対して措置を取るよう求めたことには、強い批判が寄せられた。

プラットフォーム「コモン・ドリームズ」によると、「イスラエルのための英国弁護士会」は、英国のシャバーナ・マフムード内相、慈善委員会および募金規制機関に対し、労働党政権に「国境なき医師団(MSF)」を調査するよう求める書簡を送った。

同団体は、イスラエル軍によって殺害された同医師団のスタッフ2名、生理学の専門家ファーディー・ワーディヤ氏と運転手のナーセル・フムディー・アブドッラティーフ・シャルフーフ氏が、ガザ地区の武装組織とつながりを持っていたと述べた。

同団体は、パレスチナ・イスラーム聖戦運動が今年のこれより前の時期に発表したポスターで、ワーディヤ氏を「殉教した指導者」と呼んだ一方、シャルフーフ氏については、ハマースのいずれかの大隊の狙撃兵だったと主張したことを指摘した。

「国境なき医師団」は2月、ワーディヤ氏に関するポスターの存在を認めたが、同氏がイスラエル軍によって殺害される前に、同氏が「何らかの軍事活動に関与していた可能性」を示す兆候を把握していなかったと述べた。

また医師団は、もしイスラエル当局から同氏の軍事活動への関与に関する信頼できる情報を受け取っていれば、「それを隠すことはなかっただろう」と述べた。同団体は、軍事活動に参加している人物を知りながら雇用することはないと強調し、軍事活動と関与するスタッフは「私たちのスタッフや患者を危険にさらすことになる」と述べた。


同医師団の禁止を求める動きは、英国政府が昨年、「パレスチナ・アクション」のメンバーが軍事基地で航空機を標的とした破壊行為を行ったことを受け、同団体を禁止し、テロリズム法に基づいてテロ組織に指定したことに続くものだ。

これによって「パレスチナ・アクション」は英国で法的に「アルカイダ」と同じ扱いとなり、同組織への加入や、さらにはその支持を表明することさえ、最長14年の懲役刑の対象となった。

英国の元陸軍将校チャーリー・ハーバート氏は、「国境なき医師団」に同じ分類を適用するよう求めることについて、「まったくもっておぞましい」と表現した。

「国境なき医師団」は約70の国で活動しており、同医師団の医師や医療スタッフは、2023年10月にイスラエルによる攻撃が始まって以来、ガザ地区で数千人のパレスチナ人に医療・人道支援を提供してきた。同医師団によると、少なくとも15人のスタッフがイスラエル軍によって殺害された。

同医師団はまた、内戦によって数百万人が避難を余儀なくされ、保健システムが崩壊したスーダンや、紛争が激化するイエメン、エボラ出血熱の流行と、長年にわたる紛争によって悪化した人道危機に直面するコンゴ民主共和国で、医療・人道支援を提供している。

支援分野の研究者・活動家であるフィリップ・プラウドフット氏は、「国境なき医師団」が人命を救うための支援を提供するべく、最前線や危険な環境、孤立した地域で活動していると述べ、そのスタッフを「英雄」と評した。

また米国の研究者シャイエル・ベン・エフライム氏は、「イスラエルのための英国弁護士会」が提出した報告書について、「イスラエルを支持することは、この世のあらゆる良いものに反対することを意味する、という立場を反映している。たとえば、人命を救うために紛争地に医師を派遣する団体に反対するようなものだ」と述べた。


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翻訳者:鈴木美織
記事ID:62803