トルコはサウジに兵を送るのか―憲法上は困難
2026年10月07日付 Cumhuriyet 紙

メッカ協定の共同発表にあった「軍隊をサウジアラビアに早急に配置する」との決定は、トルコでは「戦争に関与するのか」という不安の火種になった。しかし、このような配置にはトルコ大国民議会の承認が必要である。共同発表ではこのことにも注目が集まり、本紙の取材を受けた善良党の国際関係部会長のアフメト・エロザン氏は「私は、この項目はトルコの希望によって加えられたと考えている。」と述べた。
メッカ協定の戦略的政務・防衛委員会が一昨晩の会合につき共同発表を行い、「各国の国内法に適応することを前提に、これについて合意された軍隊とその能力が合意された枠組みに基づいて、サウジアラビアに提供し早急に配置されるための措置を採る」との決定が注目を集めた。
◾️トルコ大国民議会の決定が必要
この項目を受けて、世論では「トルコはサウジアラビアに向け、フーシ派と戦闘するため兵士を派遣するのか」という問題が問われた。しかし、憲法ではこれはまだ不可能である。憲法の第90条によれば、国家間の合意を履行するにはトルコ大国民議会の承認が必要である。このことはメッカ合意に関しては行われていない。同様に、トルコ軍が他国に(合意がなければ)兵員を送るにも憲法第92条によってトルコ大国民議会の許可(tezkere)を要している。このような許可も出ていない。軍事訓練に関する協定では、戦闘員の派遣は認められていない。従って、現時点では、言及されているような形でサウジアラビアに派兵できない。本文中の「各国の国内法に沿うことを条件として」という表現も、この点を示すものと理解される。
◾️「トルコの求めによって付け加えられた可能性がある」
善良党の国際関係部部長のアフメト・エロザン氏もこの部分を強調しながら、「私はこの部分はトルコの要請によって付け加えられたと考えている。大いにサウジアラビアから『兵士を派遣せよ』という要求が高まっているのだろう。パキスタンは、サウジアラビアとの二国間協定に基づき、これを実行することができる。一方、トルコは法的条件を指摘している。」と述べた。
エロザン氏は、在トルコ・パキスタン大使が本紙に述べた通り、協定文が存在しないことに触れ、「メッカ協定は文書として存在しない。その文書に何が書かれているのか、誰も知らない。8月7日に署名されたが、いまだに公表されておらず、おそらくまだ作成中なのだろう。このため個人的には、もし軍隊の派遣が問題となる場合、それは憲法第90条ではなく、第92条に基づいて行われることになるものと考えている」と述べた。
◾️「メッカを守護する」という認識
エロザン氏は加えて、共同発表にあった「メッカとメディナを標的とする企て」という表現を「前回の声明にはメッカのみが挙げられていたが、今回はメディナが追加された。公正発展党政権は、脅威がサウジアラビアに向けられているのではなく、メッカとメディナに向けられているかのように強調している。『我々はメッカとメディナを守護する』という認識を前面に出している。このようにして当事案を売り込もうとしている」と述べた。
(中略)
◾️イラン関係に配慮
退役少将のヤヌク・バージュオール氏も議会の承認を強調する中で、次のようにコメントした。
「トルコがイエメンで攻撃活動あるいは直接戦闘行為に関わる場合、トルコ関連、トルコ商船がフーシー派の攻撃の標的となる危険を看過してはならない。合意の運用原則、職務の範囲、戦力構成と期間は、適切に人々に情報公開がなされなければならない。フーシー派とソマリアのテロ組織アル=シャバーブ間の武器、兵站、技術協力に関し、公開情報にある情報に留意せねばならない。今回の事案がソマリア及びアデン海峡にいるトルコ兵、経済及び海上交易の利益にどう影響するのか検討されねばならない。軍事活動がトルコ・イラン関係にどう反映するかも考慮せねばならない。」
◾️数百名のトルコ兵がアラビア半島にいる
防衛情報サイト「防衛産業ST」は、こうした議論の中で注目に値する情報を発表した。同ポータルは、「メッカ防衛協定は現場に:数百名のトルコ兵と防空電子戦闘システムはサウジアラビアに」と題して情報を公開した。「トルコ兵力、防空電子戦闘システムは、ここ暫くサウジアラビアに配備されている。数百名のトルコ国軍の専門的な兵員も同国で勤務している。重要な施設では防空システムが使用されている。協定について『実際には機能していない』と述べる人々に現場の様相は応答している」とした。
先のヤヌク・バージュオール氏は、こうした状況が法に適ったものではないとした。
「サウジアラビアとの2010年付けの、6226号法に適う軍事協力協定は、教育及び技術協力の分野である。サウジアラビアの重要施設をトルコ国軍が実際に防衛することを含んでいない。もし我が兵がメッカ協定のなかで軍事行動を進めるとすれば、非常に明確な二つの疑問点がある。議会の承認は何処に。憲法の第90及び92条はなぜ機能しなかったのか。」
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翻訳者:伊藤颯汰
記事ID:62871