マシュハドで4人の窃盗常習犯に対して斬手刑が執行
2007年09月13日付 E'temad-e Melli紙

【ISNA】マシュハド検察次官は、マシュハドで4人の窃盗常習犯に対して〔斬手〕刑が執行されたと発表した。

 マシュハド検察のペイマーニーラード次官は、「ハッド刑を科すに十分なほど窃盗を繰り返した容疑で、マシュハド在住の4人の窃盗犯『'A』、『H』、『M』、及び『Gh』に対し、聖法が規定するハッド刑である斬手刑が言い渡された」と述べた。同次官はさらに、「この判決は法的な手続きを経た上で、火曜日に執行された」と付け加えた。



【解説】ハッド刑とは、神が定めた戒律を破った者に対して加えられる身体刑のことで、既婚者の姦通罪に対する投石刑、未婚者の姦通罪に対する鞭打ち刑、飲酒罪に対する鞭打ち刑、窃盗罪に対する斬手刑などが含まれる。ハッド刑はクルアーンやハディースに明記されているため、量刑を加減することはできない。(『岩波イスラーム辞典』の「ハッド刑」の項目、pp.764-765.)

 窃盗犯に対する斬手刑については、クルアーン第五章第38節に次のように記述されている。
それから泥棒した者は、男でも女でも容赦なく両手を切り落としてしまえ。それもみな自分で稼いだ報い。アッラーが見せしめのために懲らしめ給うのじゃ。アッラーは全能、全知におわします。(『コーラン』(上)井筒俊彦訳、岩波文庫、p.152.)

 しかしクルアーンには、斬手刑の執行方法などについて詳細な規定はなく、そのため預言者やその後継者(スンナ派の場合は正統カリフ、シーア派の場合は12人のイマーム)の時代に行われていた方法を参照して、刑を執行することになる。

 シーア派の法学者たちの間では斬手刑は、「手首の切断」ではなく、手の指を切断するものとされている。その一方でアーヤトッラー・サーネイーのような一部の法学者は、斬手刑は12人のイマームが存命中の時代にのみ有効な刑であり、第12代イマームがお隠れの間は、この種の身体刑の執行は延期されるべきだと主張している。

 イスラーム革命後制定された「イスラーム刑法」によれば、窃盗犯には初犯で4本の指の切断、第二犯で左足の指の切断、第三犯で終身刑、第四犯で死刑が科されるとされる。

 しかしながらイスラーム刑法はまた、斬手刑が科されるための条件を数多く定めている。例えば、「成人であること」、「判断能力があること」、「強制された行為でないこと」、「故意による犯罪であること」、「1グラム弱の金貨以上の価値をもった物品の窃盗であること」、「困窮状態などのやむにやまれぬ事情が存在しないと判断されること」、「盗まれた物品がきちんと管理された状態であったこと」、「盗まれたものが私有財産であること(公共財でないこと)」、「盗まれた物品が返却されないこと」、「窃盗が証明される前に改悛の情を示さないこと」などである。

 このようなことから、斬手刑が実際に執行されることは(イスラーム革命当初を除き)きわめて稀で、窃盗を繰り返し何度も有罪判決を受けたケースに限られると考えられており、窃盗犯には1年から5年の禁固刑が裁判官の裁量刑(タアズィール刑)として科されるケースがほとんどである。

 ただ、法的にはイランにおいて行政権と司法権は独立しているものの、アフマディーネジャード政権発足以降、斬手刑や投石刑といった身体刑が増えつつあると指摘されており、イラン西部のケルマーンシャー州では最近の数ヶ月間のうちに斬手刑が行われたケースが複数あるという。

参考:http://www.bbc.co.uk/persian/iran/story/2007/09/070913_mf_cuttinghand.shtml

Tweet
シェア


現地の新聞はこちら

 同じジャンルの記事を見る


(翻訳者:斎藤正道)
(記事ID:11913)