原理派内からアフマディーネジャード批判が噴出:「イマームと最高指導者の路線を支持する戦線」と大統領の会合の中身が明らかに(その3)
2009年02月23日付 E'temad-e Melli 紙

「原理派内からアフマディーネジャード批判が噴出(その2)」のつづき

 ゼイナブ協会の総書記を務めるマルヤム・ベフルーズィーも、この集会のかたわらで次のように述べる。「われわれは大統領と行った会合で、大統領に自らの批判的見解を伝えた。われわれも最高指導者が望んでいるように、より強く、より有能な大統領を求めている。原理派のすべてのキャパシティを活用する用意のある人物を、大統領候補者として擁立することになるだろう」。

 彼女はまた、《イマームと最高指導者の路線を支持する戦線》の総書記を務めるアスギャル=オウラーディーが最近、「最高指導者は第9政権よりも強力な政権を望んでいる」と述べたことに触れ、「この発言は、アフマディーネジャードへの警告の意味で取ることも可能だ」と指摘、さらに次のように述べている。

 「今のところ、アフマディーネジャードを外すといった議論がわれわれの議題に上がっているわけではない。もちろん、彼を《外す》ということが議論されていないからといって、彼について《検討》しないということではない。原理主義者たちは、最高指導者の意志に則り、最高指導者の見解を汲み取ることのできる大統領を選ぶべく努力している。原理主義者たちにとって、どの候補者を大統領選で支持するかの基準は、まさにこの点にある」。

 他方、テヘラン選出の国会議員で、医師イスラーム協会の総書記を務めるシャハーボッディーン・サドルも、《イマームと最高指導者の路線を支持する戦線》とマフムード・アフマディーネジャード大統領の先の会合は、次期大統領選でアフマディーネジャードへの支持を表明するためのものではないことを明らかにしている。

 彼は次のように述べている。「政権内にいる一部の友人たちは、例えば国会は政府が提出した予算法案を受け入れるか、ないしは拒否することはできても、それに修正を加えることはできない、と考えているようだ。政府の計画は、彼らが作った予算法案によってのみ実行可能なものになる、というのが理由のようだ」。

 同氏はその上で、「《補助金の目的化》法案と《経済改革計画》、そして予算は一つの完結的なパッケージであり、もし国会がそれに修正を加えようものなら、それぞれの有効性は失われ、政府は目的を完遂できなくなる、というのが政府内にいる友人たちの考えなのだ」と指摘している。

アフマディーネジャードでの一本化はいまだ不透明

 さて、次なる疑問は「果たして原理派はアフマディーネジャード支持でまとまるか」という点だ。この疑問に対する回答は、しかしいまだ不透明なままとなっている。この「不透明さ」は、一本化の可能性を示唆するというよりはむしろ、一本化の難しさを示唆している。この点に関してもっとも分かりやすい見解を、ハサン・ガフーリーファルドが示している。

 ガフーリーファルドは「アフマディーネジャード氏が大統領選で当選できる可能性はどのくらいか?また候補者に関する技術者イスラーム協会の立場はどのようなものか?」との問いに、次のように答えている。「技術者イスラーム協会、ならびに《イマームと最高指導者の路線を支持する戦線》はまだ候補者に関する議論を行っていないし、この件に関する決定も何も行っていない」。

 ガフーリーファルドはさらに「われわれはこの件に関して、まったくのフリーハンドである」として、次のように語った。「《イマームと最高指導者の路線を支持する戦線》の中央評議会で、アフマディーネジャード氏との会合について評価を行うことが予定されていたが、一部疑問点も残っていることから、恐らくより小規模のグループが再度アフマディーネジャード氏と面会して、疑問点をぶつけることになるだろう。そして議論・検討を行った上で、決定を下すことになるだろう」。

 同氏は「アフマディーネジャード氏は現在大統領職にあり、現職の人物が他の候補者よりも高い確率で当選するのが通常だ」とした上で、次のように指摘する。「アフマディーネジャード氏がその他の候補者を押しのけて当選する可能性が高いように思うが、しかし最終的な結論を下すことはまだできない。その他の可能性についても考慮する必要がある。選挙の結果については最後まで分からない。誰が勝利を収めるのか、結果を待つしかない」。

 技術者イスラーム協会の中央評議会委員を務めるモルタザー・ナバヴィーも、この点について、「一部には、選挙について意志決定を行っている最中のグループもあり、彼らの見解を待たねばならない」と述べる。原理派がアフマディーネジャード大統領を「外す」可能性について質問された同氏は、笑いながら「彼を外すなんてことを言える勇気のある人など、どこにいるんだい?彼は現在大統領だし、二期目に向けて選挙に出馬することも間違いないだろう」と答えている。

 他方アミーリーは、「すでに述べたように、《イマームと最高指導者の路線を支持する戦線》は何ものにも縛られることなく、選挙に臨む」と述べた上で、「現在、〔候補者について〕検討を行っているところだ。検討が終わったところで、擁立すべき候補者を選ぶつもりだ」と語る。

 アミーリーはまた、「われわれは正しい選択を行わねばならない」とした上で、次のように言う。「《イマームと最高指導者の路線を支持する戦線》は《ゴム神学校講師協会》と《闘う宗教指導者協会》の二団体と話し合いを行い、彼らから指導を受けている。戦線の方針は、これら二団体と行動をともにすることである」。

 同氏はまた、《イマームと最高指導者の路線を支持する戦線》及び技術者イスラーム協会は誰を支持するのか、アフマディーネジャード氏を支持するつもりかとの質問には、「われわれはさまざまな会議で、この問題について議論・話し合いを行っているところだ。今週木曜日にも、候補者に関する結論を下すことができればと考えている」と答えている。

 アミーリーはその上で、次のように言う。「各種世論調査によれば、アフマディーネジャード氏が当選する可能性は高い。しかし《イマームと最高指導者の路線を支持する戦線》はいまだ結論を下しているわけではなく、検討中である。もっとも合理的で、もっとも良い結論を下すことができればと思っている。あなた方も、この作業に関し戦線を支援していただければ幸いだ」。
〔つづく‥‥〕


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( 翻訳者:斉藤正道 )
( 記事ID:15882 )