革命最高指導者「イラン国民は米国の甘言には騙されない」
2009年11月04日付 Hayat-e Now 紙

【内政部】イスラーム革命最高指導者アーヤトッラー・ハーメネイーは、生徒・学生、殉教者たちの家族ら数千名と面会し、抑圧主義諸国の実態を認識する洞察力の必要性を指摘した上で、米国政府は世界の真の抑圧者であるとの見方を示し、「米国政府が自らの抑圧的姿勢と威嚇を止めない限り、米国政府が上辺だけ示している和解的なことばに、イラン国民が騙されるようなことはないであろう。イラン国民が独立、自由、国益、及び自国の権利について妥協するようなことは、決してない」と強調した。

 ISNA〔イラン学生通信〕の報道によると、世界的抑圧との闘争を記念するアーバーン月13日〔11月4日=1979年に米国大使館占拠事件が起きた日〕を目前に控えて行われたこの面会の中で、イスラーム革命最高指導者は、正確で論理的、理性的であると同時に断固とした闘争を行うためには、いくつかの前提条件が必要だとの見方を示し、「信仰心から生まれる目的意識こそ、この闘争の必要条件の一つである。なぜならば、命令によって困難な舞台に立つよう国民に強いることはできないからである」と付け加えた。

〔中略〕

 ハーメネイー最高指導者は、「エステクバール(抑圧主義諸国)とはすなわち、自らの経済的、軍事的、プロパガンダ的能力によって、他の国々・諸国民の内政に対して、あたかも自らが主人であるかのような態度で干渉してくる国、ないしは国々のことである」と力説、イスラーム諸国をはじめ、世界の様々な国々に対する米国政府の所業に言及し、同政府こそ真の意味での抑圧者に他ならないとして、次のように続けた。「イスラーム革命が勝利を収め、腐敗と従属にまみれたシャー体制を一掃させたイラン国民の力が明らかになってもなお、米国政府はイラン国民に対して謝罪し、これまでの同国民に与えてきた損害の数々を償い、諸問題の解決を図るどころか、そのまさに初日から、イラン国民・イスラーム体制に対して陰謀を企てるようになった。そして、在テヘラン米国大使館は、イランに対するスパイ活動と陰謀の中心地と化したのである」。

〔中略〕

 ハーメネイー師は、米国はイランに対して可能なあらゆる政策を実施してきたと強調して、「この〔アメリカのイランに対する〕敵対行為の結果、イラン国民はあらん限りの成長を遂げ、イスラーム共和国は発展し、国とイスラーム体制は日増しに力を蓄えていった」と語った。

 イスラーム革命最高指導者は、米国当局が最近示している、一見したところ和解的にもみえる一部の発言について言及し、「注意深く精査すると分かるのだが、アメリカ人は見せかけの微笑みを浮かべているときはいつも、後ろに短剣を隠し持っている。彼らの意図は変わっていないのだ」と指摘した。

 アーヤトッラー・ハーメネイーは、その場限りの便宜的な微笑みで騙すことができるのは子供だけだと強調し、「もし、偉大で経験豊かな国民、そしてこの国民から選ばれた責任者たちがこのような微笑みに騙されたとしたら、彼らは極めて無邪気であるか、敵との和解を望むまでに強欲におぼれているかのいずれかである」と述べ、さらに次のように指摘した。「もし、国の責任者たちに知性、経験、老練さ、そして国益への責任感があるならば、このような微笑みに騙されるようなことはないであろう」。

 イスラーム革命最高指導者は、イランとの話し合い・問題解決を目指すとする米国新大統領の美辞麗句を並べた発言や口頭・書面で繰り返されるメッセージの一部について指摘し、「イラン・イスラーム共和国は当初より、予断を排して、行動において〈チェンジ〉というスローガンを見守ることを心に決めていた。しかしこの間、行動において示されたことは、〔オバマ大統領の〕口から流れてくることばと矛盾するものばかりであった」と強調した。

 アーヤトッラー・ハーメネイーは、「もしビロードの手袋をはめて鉄のカギ爪を覆い隠しているのであれば、イラン・イスラーム共和国はそのような手に握手を求めるようなことはしない」とした、ファルヴァルディーン月1日〔3月21日=イランの元旦〕に聖地マシュハドで行った演説に言及しつつ、「アメリカは一方で話し合いを口にしながら、他方で威嚇行為を継続し、『我々が思い描くような結果が、話し合いによって得られなければならない。もし得られないのであれば、他の何らかの措置を講ずるだろう』などと言っている」と指摘、「これはまさに、イマーム〔・ホメイニー〕が仰った狼と羊の関係である。我々はこのような関係を望んではいない」と強調した。

 イスラーム革命最高指導者はさらに、次のように指摘した。「2つの超大国が世界に存在し、イスラーム共和国への敵視において意見の一致を見ていた時代にあっても、イラン国民は彼らに対して毅然と抵抗し、両超大国をともに屈服させた。これはアメリカ人が教訓とすべき事実である。いまや米国には往時の力はなく、逆にイスラーム体制の力は何倍にもなっているからである」。

 アーヤトッラー・ハーメネイーは、イラン国民は独立、自由、国益、そして科学技術の進歩を求めていると強調して、「もし何者かが、イラン国民のこうした権利を侵害しようなどと〔邪なことを〕考えようものなら、同国民は自らの存在すべてをなげうってでもこのような輩に対して抵抗し、彼を屈服させるであろう」と指摘した。

〔後略〕

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( 翻訳者:清水悠史 )
( 記事ID:17897 )