「名誉を犯す者たちには毅然とした取り締まりを」:司法権長官ら、最近の強姦事件に関連し
2009年11月16日付 Jam-e Jam 紙
アーモリー=ラーリージャーニー司法権長官
アーモリー=ラーリージャーニー司法権長官

【社会部】市民の名誉=貞節(ナームース)と安全を犯す行為に対して、国の責任者たちから迅速かつ厳しい反応が示されるのは、今回が初めてではない。テヘラン東部ラヴァーサーナートで先週、これに関連する事件が起きたばかりである。

 この身の毛もよだつ事件では、3人の犯罪者の男が厚顔無恥にも、家主の男性の目の前で、子供を殺すと脅しながら、妻を暴行するという行為に及んだ。

 これと類似したもう一つの事件が、昨日テヘラン南部郊外で報告されている。それより前にも、6人の悪党が若い女性をテヘラン東部の街道に連れ出し、彼女に暴行を加えるという事件も起きている。

 こうした事件の続発を受け、司法権長官は司法機関が今後、社会の安全を乱す輩に対して迅速かつ断固たる対応を取る方針であることを明らかにし、「司法権は人々の安全・平和を侵す悪党どもに対して、厳しく、また迅速に対処し、こうした連中〔の素性〕を〔メディアを通して〕一般に公開するつもりだ」と述べた。

 アーヤトッラー・アーモリー=ラーリージャーニー司法権長官は、昨日開かれた司法高官会議の中で、最近テヘラン州で強姦事件が続発していることを指摘した上で、「こうした事件に関しては、テヘラン州司法総局長に対し、自ら事件捜査の陣頭指揮を取り、可及的速やか、かつ正確に捜査を完了させ、最優先で〔裁判での〕審理を行うよう求めた」と語った。

 同長官は、社会の安全を乱す輩に対して毅然たる対応を取ることが必要だと強調した上で、さらに「人々の名誉=貞節を犯し、安全・平和を乱す悪党どもへの対処が遅れることが時にある。こうしたことが、一種の安心感を悪党どもに与えるきっかけとなってはならない。司法権は厳しく、正確、かつ迅速な行動によって、こうした事件を捜査・審理しなければならない」。

 同長官はまた、「一般市民は司法機関や治安維持軍に対して、毅然たる対応を期待している」と指摘し、次のように述べた。「司法機関は〔人権侵害などを批判する海外からの?〕議論やプロパガンダを恐れることなく、法と司法判決の厳格な執行、ならびに人々への安全・平和の提供に努めるべきだ。司法は今日、人々の名誉=貞節、及び安全を犯す者たちに向けて、毅然たる態度で次のように警告する。お前たちの犯罪行為に対しては、速やかに捜査し、法に基づいて厳格に処罰する」。

 アーヤトッラー・アーモリー=ラーリージャーニーは重大事件の発生を未然に防ぐべく、治安関係者が積極的に社会に出て警備を行っていることを強調し、「治安関係者が〔街頭に〕精力的に常駐することで、多くの犯罪を減らすことができるだろう。街の隅々に、捜査官を目立つ形で配置し、社会不安の原因となるような犯罪の発生を防ぐことが大切だ。市民も治安部隊に対して、より積極的に、より多くの人員を割いて街の警備にあたることを期待している。また司法機関に対しても、〔悪人に対する〕処罰にあたっては断固たる態度で臨み、正義を執行するよう求めている」と語った。

〔中略〕

「名誉=貞節への侵犯はイスラーム国家にふさわしくない」

 他方、アリー・ラーリージャーニー国会議長も、国会審議に入る前の冒頭演説の中で、テヘラン州で起きた2件の痛ましい事件について触れ、ごろつきどもが跋扈し、人々の名誉=貞節を犯す事件を起こしていることに非難の声を上げた。

 ラーリージャーニー議長は、こうした事態に対しては以前から警告を与えてきたと指摘し、「このような悪事に対して毅然たる対応が取られてこなかったために、社会の心理的平穏が乱されている。こうした状態は、イスラーム国家にふさわしいものではない」と述べた。

 「もし適宜、法的対応が取られ、毅然とした対処が行われていれば、このようなあるまじき状態を今日、目にすることはなかったはずだ」。

 ラーリージャーニー議長は司法権に対し、こうした犯罪者に対して可及的速やかに対処し、イラン国営放送を通じて彼ら〔の素性〕を世に公開し、悪党どもへの見せしめとするよう求めた。

 ラーリージャーニー議長はまた、国会の司法委員会に対し、国会に提出された法案審議の迅速化を図り、司法権の対応をバックアップするよう求めた。

〔中略〕

 これとの関連で、検事総局犯罪予防課の課長は、若者が直面する結婚問題の解決に国全体が注意を払うことが、強姦関連犯罪をはじめとする諸々の犯罪の減少に極めて高い効果が認められると指摘した。

死刑こそ強姦罪に対する処罰

 他方、司法判事を務めるメフディー・ダヴァートギャリー博士は、人々の名誉=貞節を犯す強姦魔に対しては公開処刑をもって臨むべきだと述べた。

 同判事はメフル通信とのインタビューの中で、強姦をはじめとする犯罪は未然に防ぐことが重要だとし、「憲法では、犯罪抑止は司法の責任である。特に姦通や強姦に関連する犯罪の防止に使われた経費の分だけ、犯罪者の捜索・処罰に要するコストは下がるということを指摘しておかねばならない」と語った。

〔中略〕

 同判事はまた、強姦は精神的動機によるものでも、肉体的動機によるものでもありうるが、いずれにせよこの犯罪に対する罰則は〔本来〕死刑なのだ〔‥‥〕と語った。

 一部の社会問題の専門家たちは、犯罪抑止的な法律が存在しなかったり、きちんと執行されていなかったりすることが、人々の名誉=貞節を侵害する犯罪者たちの跋扈を許しているとし、この種の輩に対して極刑が執行されれば、間違いなく犯罪者たちの数は減り、社会に安全が回復するはずだと指摘している。

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( 翻訳者:斉藤正道 )
( 記事ID:17910 )