2009年アムステルダム・トルコ航空機事故、最終報告書―ボーイング社に原因
2010年05月06日付 Radikal 紙


アムステルダムで墜落したトルコ航空(THY)機に関する最終報告が行われた。

THYのボーイング737旅客機が2009年2月25日にオランダのアムステルダムに着陸する際に引き起こした事故について最終の公式報告が行われた。

オランダの航空管制―評価委員会の専門家逹は、THYのボーイング737-800型「テキルダー」旅客機が2009年2月25日にオランダのアムステルダムに着陸する際に引き起こした事故について最終の公的報告を行った。彼らは、事故で高度計の破損、航空管制塔が必要な情報をパイロット室に伝えなかったこと、そしてパイロット逹もこれに対して適切な返答ができなかったことが事故の原因になったと説明した。委員会は以前に発表した初期検証に基づく報告書でボーイング社に8割方原因があると説明していた。

オランダ航空管制委員会はイスタンブルを飛び立ったTK1951機がアムステルダムのスキポール空港に近づいた際に畑に突っ込んだ事故について、最終報告を行った。その際「航空機の高度計が最低高度ゆえに誤ってエンジンを止めたこと、このためエンジンの牽引力が足りず両翼部分が必要な空気抵抗を受けられなかったことが事故の原因となった」話した。

オランダ航空管制委員会のピーテル・ヴァン・ヴォレンホヴェン委員長は、「ありえないような不運が重なった。航空パイロットは管制官の通常の指示で着陸体制に入ったとみられる」と話した。

ボーイング社は、事故後の会見の中で、自社の航空機を操縦するすべてのパイロットが、飛行中の危険な状態では、すべての機器を細心の注意で操作することを勧めた。オランダのAKDピリンセン・ヴァン・ワイメン法律事務所は、事故で救出された乗客が、アメリカのボーイング社から必要な補償を受けるために、直にアメリカの航空専門の「クリフォード法律事務所」に申し立ての機会が認められたことに触れた。

■ THY:航空機製造会社の責任である

THYはというと、報告書に載っている、航空機の現在地と距離を図る高度計と言われるシステムの故障に関して詳細な発表を行った。THYが行った書面による発表では、航空機製作会社がこの起こりえた問題について、パイロット達に警告しなかったことを主張し、次のように話した。

「B737-800航空機には垂直距離を測る2つの電波高度計が搭載されている。航空機がアムステルダムのスキポール空港の滑走路に接近した際に、右の電波高度計は正常に作動していたが、左の高度計は間違った高度を示したと思われる。オートパイロットシステムの一部であり、速度を調整する自動ガスシステムは、設計上の特徴として、左右の電波高度計が互いに干渉し合うのを防ぐため、左の電波高度計からのみ地上までの距離情報を受けていた。そのため、航空機が地上とコンタクトをとる際に受け取った間違った情報を伝えたと考えられる。結果、自動ガスシステムはガス排出を止め、地上に限りなく近い場所で航空機はコントロールを失ったと考えられている。自動ガスシステムと右の電波高度計間の間違いを起こしたこの件について、航空機の製作側からパイロット用のマニュアルで事故以前には書かれていなかったが、事故後はマニュアルに書かれた。速度が調整の利く範囲に近づくと、視覚的そして口頭の警告システムが作動し始め、その直後危機脱出操作が始まったと考えられている。しかし、この操作中にコックピットいた乗組員によって開かれたガス調整レバーは、高度情報の間違いのためにオートガスシステムによって作動しなかった。その直後、オートシステムは乗組員達によって解除され、ガス調節レバーは再び開けられたが、時間を失し、垂直距離が低すぎたため、乗務員側の操作はうまくいかなかった。航空機製造会社は、マニュアルにこのような事態に遭遇した際に、パイロットがすぐにガス調整レバーを開くことが必要だと書いているにも関わらず、オートガスシステムを解除する必要があるとは書かれていなかった。

また発表では、オランダでの報告書では、THYはB737-800型航空機で間違った情報を伝えた電波高度計の故障に事故発生のかなり前から気づいていたこと、航空機製造会社にそのことを伝えていたこと、製造会社がとりあわなかったことが書かれてあった、とした。

■ 死者9人

この事故でキャプテンパイロットのハサン・アルサン氏、副パイロットのオルガイ・オズギュル氏、キャビンクルーのウルビ・ムラト・エスキン氏と6人の乗客が亡くなった。

THYの航空機「テキルダー」は着陸体制に入るとA-9道のすぐそばのスキポール空港滑走路まで500メートル手前の地点で畑に胴体着陸した。航空機は3つに分断されたが、火の手は上がらなかった。機内には127人の乗客と7人の乗務員がいた。

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( 翻訳者:百合野愛 )
( 記事ID:19047 )