87の地下音楽グループの存在を確認
2010年11月30日付 Mardomsalari 紙

調査により、133人の歌手を含む87の地下音楽グループが〔イランには〕存在することが分かった。これらのグループは、昨年のホルダード月〔西暦2009年5~6月〕から現在までに、ヴァーチャル空間において376の作品を生産し発表している。

 イラン国営放送報道センターによれば、大学ジハード文化芸術研究所の学術委員の一人は、地下音楽についての研究会の席上、この数字に触れた上で、次のように述べたという。「イランにおける地下音楽とは単に、ポップスやロック、メタルといった新しい音楽ジャンルのことだけを指すのではなく、〔文化イスラーム指導省から〕発表の認可を受けていない伝統的な音楽までもが、地下音楽と呼ばれている」。

 アフシーン・ダーヴァルパナーフ氏は加えて、「83年〔西暦2004年〕以降、ポップスやラップ、メタル、そしてロックといったジャンルで、注目すべき量の地下音楽が生産されている。これは、ここ数年の政治状況の変化に加え、国の音楽に対する規制強化、音楽創作活動のための設備や技術の進歩、特に若者世代における多様な音楽への嗜好、そしてインターネットの普及率・ヴァーチャル空間の利用率の増加などの要因によるものである」と指摘した。

 同氏は、あらゆる偏見を絶つことが必要であり、地下音楽についての非科学的な考えを示すようなことは慎むべきだと強調して、次のように述べた。「この問題の当局者や政策決定者たちは往々にして、この種の音楽の利用を悪魔崇拝集団〔の活動〕と結びつけて考えることが多いが、このような関連付けは誤った見方である」。

 大学教授の同氏は、当局者たちはこの種の音楽が「イラン化」するのを快く思っていないと指摘しつつ、「この種の音楽について、イランでは《イラン化》される傾向にある。つまり、こういった音楽を西洋のメタルやラップから切り離し、これらに〔イラン的な〕アイデンティティを付与しようとする意図せざる努力が存在するのである。こうした動きに注意を払う必要があろう」と述べた。

(本記事はAsahi中東マガジンでも紹介されています。)

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( 翻訳者:高山奈美 )
( 記事ID:20882 )