ハーメネイー最高指導者、ギュル・トルコ大統領と会談「イギリスこそ分裂煽動の主犯」
2011年02月16日付 Jam-e Jam 紙

イスラーム革命最高指導者のアーヤトッラー・ハーメネイー閣下は昨日、トルコのアブドッラー・ギュル大統領とその随行団と会談し、そのなかでイラン・イスラーム共和国とトルコは互いにムスリム国家であり、また友人・同胞であるとした上で、「政治・経済面におけるイランとトルコの今の関係は、これまでとは比べものにならない。両国の豊穰なる可能性すべてを活かすべく、この歴史的機会を活用しなければならない」と強調した。

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 アーヤトッラー・ハーメネイー閣下は、イスラーム世界におけるトルコの現在の地位について、これまでとは大きく異なると評価した上で、「西洋に対しては自立性を確保し、シオニスト体制に対しては距離をとり、パレスチナ人民に対しては支持の姿勢を示している。こうした重要な姿勢が、トルコのイスラーム共同体(ウンマ)への接近をもたらしている」と指摘した。

 イスラーム革命最高指導者はさらに、「〔トルコの〕こうした政策は、正しい政策である。トルコが大いなるイスラーム世界に近づけば近づくほど、トルコのためになり、同時にイスラーム世界のためにもなるのである」と強調した。

 アーヤトッラー・ハーメネイー閣下は、地域の諸問題、特にアフガニスタン問題、イラク問題、レバノン問題、そしてパレスチナ問題において、イランとトルコは似たような見解を有していると指摘した上で、「最近のエジプト情勢もきわめて重要だ。エジプト、そして〔周辺〕地域の人々に幸せもたらす力がある」と続けた。

 同氏は、アメリカとシオニスト体制による数十年に及ぶエジプト支配と、同国人民の屈辱感こそ、今回の運動の根本原因だったとした上で、「エジプト人民はムスリムであり、強力なイスラーム的動機づけを有している」と指摘、さらに「人民が〔政治の表〕舞台に立てば、必ず変革が起きる。通常の政治的・軍事的手段は、その効力を失う。そして今、エジプト人民こそまさに舞台の中央に立っているのだ」と強調した。

アメリカはエジプト人民の運動を横取りしようと狙っている

 アーヤトッラー・ハーメネイー閣下は、「アメリカはエジプト人民による偉大なる運動を横取りしようと狙っている。イラン・イスラーム共和国は、外国がエジプトに介入することに反対する。人民こそ、真の意思決定者だと信じる」と述べた。

 同氏は、イスラーム世界においてもっとも重要なのはイスラーム共同体の統一の維持・強化であり、対立・分裂を生じさせようとする外国のワナに陥らぬよう気をつけなければならないと指摘した上で、「もしイスラーム世界が自らの能力・可能性の高さをきちんと認識すれば、状況はかなり変わるはずだ。イスラーム世界は強力な存在として、国際情勢に対して〔自らにふさわしい〕役割を果たすことができるようになるだろう」と力説した。

 イスラーム革命最高指導者は、ムスリムの間に対立を惹起させている主な犯人はイギリス政府であると名指しし、イスラーム諸国の政策・施策はすべて、イスラーム世界の連帯と力の向上に資するものでなければならないと強調した上で、「西洋はこれまで常に、イスラーム世界を侮蔑してきた。こうした侮蔑に対して〔抵抗〕運動を起こし、自らの力を誇示しようとする政府・国民はどれも、西洋の妨害・破壊工作に直面するだろう」と指摘した。

 アーヤトッラー・ハーメネイー閣下はムスリムの勝利を確約する、神の破られざる約束について触れ、「もし現下の地域情勢や覇権諸国の状況に注目し、またそれを過去と比較するならば、神の助け〔がムスリムに及んでいること〕の現れをはっきりと目にすることができよう」と述べ、次のように指摘した。

 「アメリカをはじめとする、要求がましい西洋列強は30年前、地域を自らの箱庭のように扱っていた。しかし、現在の状況はどうか?シオニスト体制の現下の状況は、30年前と比べてどうであるか?今日のイランを、30年前のイランと比べてみて欲しい。今日のトルコは30年前と比べて、どのように変わったか?今日のイラクやパレスチナは、過去とどのような違いがあるだろうか?これらの事例はすべて、神の助けの現れに他ならないのであり、この流れは今後加速度的に進んでいくだろう」。

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( 翻訳者:斎藤正道 )
( 記事ID:21544 )