アフマディーネジャード大統領「イギリス人民の我慢も限界に達している」
2011年08月11日付 Jam-e Jam 紙

「もし抗議運動の参加者たちが麻薬の密売人であるのなら、国連はイギリスの周りに壁を作って、彼らを閉じ込めておくべきだ」

 イラン大統領は、イギリス政府が同国各地で人民の抗議運動に対して暴力的な対応を行っていることを強く批判し、「英警察が徒手空拳の人民を攻撃するようなことは、到底受け入れられない」と述べた。

 イラン国営通信の報道によると、マフムード・アフマディーネジャード大統領は閣議の合間に記者団の前に姿を現し、イギリスで抗議運動を起こしている人々を「反体制派」と呼んだ上で、数日前にイランにおける反体制派について大統領に質問を行ったユーロニューズ記者の質問に触れ、「本物の反体制派とは、ここ数日ロンドンの路地裏で〔英警察から〕暴力を受け、殺害され、誰からも自らの声を聞いてもらえない、そういう人たちのことである〔=イランの「反体制派」など本物の「反体制派」ではなく、単なるテロリストにすぎない〕」と述べた。

 大統領はまた、西洋で〔人民の不満が〕社会的に爆発する可能性があることに懸念を示した上で、「もしそうなれば、誰も状況をコントロールすることなどできないだろう」と指摘した。

 アフマディーネジャード大統領は、西洋の各国政府の自国民に対する振る舞いに疑問を呈した上で、「結局、世界は変わったのだということ、一握りの資本家ファミリーがさまざまな肩書きのもとで、〔世界の〕その他の諸政府・諸国民を略奪し、残りの人々を自らの奴隷にする、そういった時代は終わったのだということに、彼らも気が付くべきだ」と続けた。

 大統領はまた、彼らは人民の声を聞き、それを受け入れなければならないと指摘した上で、「経済的な圧力の下に晒されてきた大部分のイギリス人民の我慢も、すでに限界に達したということだ」と明言した。

 同氏は、西洋の経済危機は政府、そして資本家たちの政策の結果にすぎないとし、「西洋は自らの略奪行為と貧弱な政策によって、経済危機を招いた。その一方で、彼らはそのツケを、いかなる責任もない人民に背負わせきた」と語り、一部西洋諸国の財政赤字について触れて、次のように述べた。

彼らは自ら蓄えた富を使って赤字を補填する代わりに、人民大衆にその肩代わりをさせてきた。危機の前に圧力に晒されていた人民大衆は、危機にあっても圧力に晒され続け、今や危機の償いをさせられている。彼らが反抗するのも当然だ。

 アフマディーネジャード大統領は、イギリス政府が抗議活動を行う自国民をごろつき、あるいは麻薬の密売人などと呼んでいることを批判した上で、次のように述べた。

イギリスにはこんなに〔麻薬の〕密売人がいるというのか。もしそうなら、彼らは裁判で裁かれねばならないが、〔同時に〕国連は同国〔=イギリス〕の周囲を壁で囲んで、密売人たちを閉じ込めておくべきだ。そうなれば、世界は麻薬の密売から解放されるだろう。

 大統領はさらに、「イギリスの政府関係者は、自国民に責めを負わせるべきではない。むしろ彼らに寄り添い、自らの見方、自らの政治を改革すべきだ。アフガニスタンやイラクといった他人のことに口出しをし、リビアに派兵する代わりに、自国民が抱える問題を調査するべきだ」と続けた。

 大統領はその上で、「欧米の政府関係者たちは他国の問題に介入する代わりに、口座に蓄えた富を全部引き出して、それらを自国民に返却するべきだ。そうすることで、人民が息をし、生活できるようにするべきだ」と言明した。

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( 翻訳者:斎藤正道 )
( 記事ID:23700 )