15歳で化粧:イラン人の化粧品にかける年間費用は20億ドル(4)
2012年06月21日付 Jam-e Jam 紙

〔‥‥〕

専門家は何と言っているか?

 こうした中、専門家らは幾度となくこの件について懸念を示し、警告を発してきた。社会学者のアマーノッラー・ガラーイーモガッダム氏は若年層における化粧品使用の増加について警告した上で、「調査によれば、化粧品の使用は小学生にまで低年齢化していることが分かっている」と指摘する。

 別の統計によると、今どきの女子中学生たちは口紅やフェイスパウダー、チークなどの化粧品を使用しており、女子校の教師たちによる〔女子生徒たちへの〕校内注意では、この問題が最も多くを占めているという。

 イランにおける、特に若い女性たちの化粧品の過度な使用について、精神科医でイラン精神科医協会の会長を務めるアフマド・ジャリーリー博士は、これを心理的な問題に還元することはできない、と指摘する。同氏によれば、これはむしろ文化的な問題であり、それも必ずしもイラン固有の問題ではないという。

 ジャリーリー氏は、次のように付け加えている。

どんな人にも、特に若者には、注目されたいという願望が存在する。しかし、その人の生活上の欲求がどれだけ叶えられているか、またそれがどういった方向に向いているのかということによって、それは特有の癖を帯びるものである。こういったことはすべて、若者たちのためにどれだけのものを我々が用意してきたか、という問題に帰着する。文化施設や運動場などが、どれだけ彼らのために整備されてきたか、ということである。私たちはここ数年で莫大な〔石油〕収入を得た。これらの収入のうちのどれほどが、若者たちのために使われてきただろうか?こういった疑問は、精神医学の守備範囲ではないが、しかし社会、特に若者たちの文化や慣習を形作る〔重要な〕問題なのである。

 イラン精神科医協会の会長を務める同氏は、化粧品の過度な使用は病気ではなく、むしろわれわれ知識人や社会学者たちが分析すべき〔より大きな問題の〕兆候なのだと強調する。この問題は喫煙のように一つの「原因」ではなく、多くの要因をもちうる「結果」なのであり、その根元には社会学的な問題が潜んでいる、というのである。

 精神科医のナーデル・ラースティー博士も、イランにおける過度な化粧には社会的な原因があると指摘した上で、以下のように述べている。

過度に注意を惹きたいという欲求の原因は、大抵の場合、自信の不足にある。人は自らの内にコンプレックスを抱いたり、自分のことを醜くいと感じてしまうことが、ときにある。例えば、鼻が大きすぎるとか、顔の血色が悪く痩せこけているとか、まぶたがたるんでいるといった感覚だ。こういった理由で、厚化粧をして欠点をなくそうと努めるのである。鼻の手術などの〔美容整形〕手術が我が国で広く行われているのは、まさにこのためなのだ。

 しかし、こうした警告はどれも、女性たちの、そしてときに男性たちの化粧品使用を抑えることにはつながっていない。むしろ、新製品を使いたいという欲求を増大させることに資してきたといえるだろう。

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( 翻訳者:8408172 )
( 記事ID:26892 )