ギリシャは、トルコから魚の養殖を学んだ
2012年07月22日付 Hurriyet 紙


ヤシャル・ホールディングのセルチュク・ヤシャル名誉会長は、「ギリシャ人は、稚魚を輸入して行う養殖を、私たちから学んだ。しかし、(トルコの)官僚主義の障害と制限により、人口1100万人のギリシャは、今日、私たちの3倍以上の養殖魚を生産している」と述べた。

ヤシャル・ホールディングのセルチュク・ヤシャル名誉会長は最近書いた著書「健康な世代のための魚」で将来の世代がより健康的に育つため、養殖の重要性を強調した。ヤシャル氏は、漁業について書いたこの新しい本でトルコは自給自足ができる7カ国のうちのひとつという地位を1970年代に失ったと指摘し、「私は栄養摂取に関する問題を1985年頃に発見し、プナル水産工場を設立し、トルコで養殖を始めた。ギリシャ人は私たちの施設から稚魚を輸入し、養殖を私たちから学んだ。しかし官僚主義の障害や制限により、1100万人の人口を持つギリシャは今日私たちの3倍以上の養殖魚を生産している」と語った。

■種類は40パーセント減少した

ヤシャル氏は自身について食品に対する投資を動物性たんぱく質を有するものに集中させたビジネスマンである述べ、次のように続けた。:「力強い世代のために 質の良い栄養が必要である。養殖は増え続ける健康的な栄養摂取の問題に対する最も経済的な解決策だ。海はもはや昔ほど肥沃ではない。毎年海に捨てられるプラスチックゴミは少なくとも500年間水中で毒を放出し続ける。トルコでは1950年以降、商業的な価値のある魚の種類は40パーセント減少した。地中海が危機的な状況にある中、黒海は30年間でヨーロッパ18カ国がゴミを捨てていく巨大な穴になってしまった。その上際限のない乱獲が海の大きな破壊に道を開いた。」

■たんぱく質におけるパイは3パーセント

ヤシャル氏は、2050年には世界の人口は100億人、トルコの人口は1億人に達すると指摘し、著書で次のように語っている:「研究によると現在50万トンの漁獲量は2050年には15万トンに落ちる。唯一の手だては、頭を使い、バランスの取れた持続可能な食糧を確保する事である。鶏肉・七面鳥生産や家畜の例と同様、漁業においても養殖を行うことが唯一の策だ。大人は毎日1キロ当たり最低1グラムのたんぱく質を摂取しなければならない。世界食糧農業機関のデータによると、たんぱく質の消費量は一人当たり平均で28グラムである。トルコで魚はたんぱく質摂取において3パーセント分しかまかなっていない。」

■オメガ3は自然界で魚に最も多い

ヤシャル氏は、オメガ3、オメガ6脂肪酸が他の脂肪とは異なり人体では合成されないため、外から摂取する必要があると語り、次のように説明した:「新鮮な魚は20パーセントたんぱく質を含んでおり、その中に8個の基本的なアミノ酸を含んでいる。また、オメガ6を有するものは自然界に多く存在するが、オメガ3は魚の脂肪と肉に最も多く含まれている。オメガ3は血液をサラサラにし、炎症を抑え、がんを予防するといった特徴によりバランスをもたらしている。」

■魚の養殖ではEUの基準が重要

ヤシャル・ホールディングのセルチュク・ヤシャル名誉会長は、トルコは水産部門において世界の最も重要な生産者のうちのひとつになりえると述べ、以前著した「トルコの真鯛・シーバス部門はこの距離でどうやってEUや他の国々と戦えるのか」というタイトルの本で、水産施設を海岸から1.1キロの距離に置くという条件は間違っていると主張し、これに関してヨーロッパ連合(EU)の基準の適用を提案した。ヤシャル氏は「トルコの真鯛・シーバスの生産業者や養殖業者はまだ深刻な問題に向き合っている。魚が育つ網が海岸から1.1キロの距離に置く事が条件とされている」と書いている。

■アジアの国々は急速に発展している

セルチュク・ヤシャル氏は、中国が世界の生産と養殖による漁業の70パーセントを握っていると述べ、養殖に関して次のように語った:「生産と養殖による漁業は中国、インド、タイ、インドネシアで急速に発展している。世界には漁業全体を手掛ける、漁業部門の貢献により国の経済に毎年何億ドルもの輸出収入を得る多くの国がある。この中で最初に思いつくのがフランス、デンマーク、スペイン、ポルトガル、ロシアだ。」

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( 翻訳者:南澤沙織 )
( 記事ID:27100 )