テヘランの病院の周りにホームレスのテント
2012年12月31日付 Mardomsalari紙

 これまで多くのメディアで、病人を抱える家族の人たちが首都テヘランの病院の周りに旅行用テントを張って寝泊まりしている実態が伝えられてきたが、しかし今や、病院周辺は都市部のホームレスが寝泊まりする最適の場所へと変貌している。

 イラン国営通信の報道によると、今年の夏、首都テヘランの病院の周辺は色とりどりの旅行用テントで埋め尽くされていた。これらのテントには、地方出身の病人の家族が、病人の治療状況を近くから見守るために寝泊まりしていたのだという。テントに寝泊まりして病人に付き添っていた人の中には、ホテルや宿の宿泊代が支払えないために、経済的負担を減らす目的で病院の周辺にテントを張っていた人たちもいたらしい。

 ところが、雪と寒さが襲う冬の季節となった今、病人を抱える家族はどんなに苦しくとも、病院から遠く離れた親戚や友人・知人の家に泊まるか、あるいは宿の宿泊代に堪えるか、いずれかを選ぶようになっている。代わりに病院周辺にやってきては、ところどころにテントを張るようになった「招かれざる客」がいる。ホームレスの人たちである。彼らのテントは以前までのテントとは異なり、色もあせた古びたテントである。彼ら自身病気を患っている可能性もあるが、しかし彼らにとって本質的な問題は、〔病気よりもむしろ〕雨露を凌ぐ場所がないということであり、彼らは病人の家族と偽って、病院、特にテヘラン・シャリーアティー病院の周りにテントを張って暮らしているのである。

 こうしたテント住民の一人である57歳の女性は、イラン国営通信に次のように証言している。「私は腎臓結石や重度の首関節痛をはじめ、いろんな病気に罹っていて、しばらくはテヘランのイマーム・ホメイニー病院にも入院していたこともありました。この病院は、胆嚢手術のためにシャリーアティー病院を紹介してくれたのです」。

 イラン南部の州に住んでいたこの女性は、そのうえで「シャリーアティー病院は私に、入院治療には100万トマーン〔約3万円〕が必要だと言ってきました。〔この費用を払えない〕私はここにテントを張るようになり、それからすでに15日になります」と続け、さらに「たとえ手術を受けて退院しても、この街で〔ここ以外に〕住める場所なんてないんですよ」と訴えた。

 この女性の暮らすテントの灯りにはランプが用いられており、彼女の横には電気ストーブの姿も見える。しかし女性は「電気ストーブは動かないんですよ。夜になっても、体に巻く毛布もないので、朝まで震えっぱなしですよ」と言う。

 この女性のテントの下にはびしょ濡れの毛布が敷かれている。この高齢女性は泣きながら、「夜はこのテントにひとりぽっちで、恐くて眠れやしません」と言い、続けて「地元に戻るお金もないんです」と訴えた。

 このようなテント暮らしは、段ボール・ハウスでの生活の延長線上にあり、彼女のような人たちは、深刻な社会的・経済的問題に直面している人たちであるように思われる。調査によれば、人がホームレスな暮らしに陥るのを促進するものとして、麻薬中毒、身体的・心理的障害、移住先での環境への不適応、の三つの要因があるという。

(本記事はAsahi 中東マガジンでも紹介
されています。)

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(翻訳者:ペルシア語記事翻訳班)
(記事ID:28764)