【ハムシャフリー・オンライン:国際部-モハンマド・キャルバースィー】シリアの化学兵器廃棄のプロセスが開始され、ダマスカス[シリア政府]が化学兵器禁止条約に加盟したあと、多くの人々の関心が今度はシオニスト体制[
※イスラエルを指す。以下同様]の大量破壊兵器に向けられた。
もはや世界の国々にとっては火を見るよりも明らかであるのが、中東において唯一シオニスト体制のみが、様々な文書、資料によると少なくとも300の核弾頭を有しているということである。さらに、拡散防止条約(NPT)にも署名せず、同体制は今までいかなる査察官をも核施設に立ち入らせていない。
ここのところ、国際機関によるシリアの化学兵器廃棄のプロセスが進む中、シオニスト体制が保有する大量破壊兵器についての[国際]世論による疑問の声が日増しに多く寄せられている。恐らくそのためなのであろう。シオニスト体制の首脳らは、彼らが深刻な脅威にさらされているということを示すために、メディア戦略の新たなステージを開始したのである。
おそらく、この問題の最良の事例が、シオニスト体制軍参謀総長であるベニー・ガンツの言葉であろう。同参謀総長は自身の最近の演説でイスラエルは様々な危険に直面していると述べ、次のように発言した。
我が国はいくつもの戦線から攻撃目標とされていると考え得る。
さらに、同参謀総長はこう警告した。
イスラエルにとっての次の戦争は、テルアビブにある軍[統合]参謀本部に敵のミサイルが撃ち込まれる、あるいは、ゴラン高原の兵士ら[※]への攻撃、さらには、サイバー攻撃によっても始まり得る。
※訳注:シリア・国連の立場からすればシリア領であるゴラン高原に、第3次中東戦争以降、イスラエル軍は占拠を続けている。
イスラエルが危険にさらされているという宣伝は、これだけに留まらないのである。
ギラド・エルダン国内治安相は、同様に、ある演説でこう述べている。
20万発のミサイル[誘導式噴進弾]とロケット[無誘導式噴進弾]が我が国に照準を定めている。すなわち、占領地域の民間の人々は常に危険の中で過ごしていることになる。
同治安相は、「だからこそ、同体制がこれらの攻撃に対し、人口の少なくとも30パーセントの人々を守るために、自国のミサイル防衛システムを早急に構築する必要がある」と強調する。
さらに、エルダン国内治安相は同体制への脅威をより大きく見せるために、次のような発言さえするのだ。
レバノンでは民家10軒ごとに武器庫があり、さらに、そこにはミサイル発射台が設置されている!
本記事は
Asahi 中東マガジンでも紹介されています。
同記事(後編)をよむ
関連記事(「国防相「イスラエルによる対シリア攻撃はアメリカのゴーサインによるもの」」)
原文をPDFファイルで見る
( 翻訳者:8407273 )
( 記事ID:31801 )