【ハムシャフリー・オンライン】しかし、実際には、〔中東〕地域諸国の中で化学兵器、核兵器、生物兵器を含む大量破壊兵器を最も多く所有しているのはシオニスト体制である。おそらく現在イスラエルは、 [同国の]化学兵器の利用に関する分厚い証拠書類があるにも拘らず、いかなる国際機関もそれに踏み込んだことがなく、化学兵器禁止条約にも署名しておらず、NPT(核拡散防止条約)の加盟国でもなく、しかし様々な文書によれば数百の核弾頭を確かに保有しているという、 世界で唯一の体制である。
そして、同体制の首脳らはこの問題に関して圧力を受けると、自国を正当化するために、[イスラエルが攻撃の]危険にさらされているという主張を繰り広げるのである。
シオニスト体制の大量破壊兵器の広範に存在する武器庫に対する、国際世論の疑問の声に対し、問題を明らかにしないことこそが、イスラエル首脳らが過去何年にも渡って取り続けてきた手段なのであり、こうした疑問の声に対し、ただ沈黙を続けてきたのである。
最近テレビのインタビューでベンヤミン・ネタニヤフ首相は、核兵器の保有、および、NPTに同体制が加盟しないことについて尋ねられた際、彼はまたもや明言を避けて質問をかわし、核兵器の保有について否定も肯定もせず、「NPTに加盟している国々こそが、地域にとっての脅威とみなしうるのだ、イスラエルではなく」と発言していた。
事実として指摘できるのは、イスラエル人たちが大量破壊兵器を保有し、かつ、世界においていかなる条約や協定の責任も負わされないようにするためには、自分たちが常に危険にさらされていることを示す必要がある、ということなのだ。
彼らは常に攻撃を口にしながらも、日々、メディアで様々な脅威を羅列し、自分たちが化学兵器や核兵器をもつことを正当化している。
化学兵器禁止条約に署名した190ヶ国をはじめとする世界の国々が、大量破壊兵器の廃棄に努めているなかで、イスラエルが[仮想の]敵をつくり上げ、自らが脅威にさらされていると主張することは、彼らが国際社会に反した道を進もうとするための格好の口実となってしまっているのだ。
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Asahi 中東マガジンでも紹介されています。
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( 翻訳者:8411151 )
( 記事ID:31802 )