今年の米大使館占拠記念日は例年より盛大に(下)
2013年11月02日付 Jam-e Jam 紙

 ハータミー師は「アーバーン月〔10月23日〜11月22日〕には、特別な反米記念日が3つある」とした上で、次のように述べた。

最初の記念日はアーバーン月4日〔=10月26日〕である。この日は反人間的なカピチュレーション法、すなわちアメリカ人に治外法権を与える法律〔※イランに駐留する米軍人に対して外交官に準ずる地位を与えた米軍地位協定のこと〕に対して、イマーム・ホメイニーが反対演説を行い、この〔イラン国民への〕侮辱への異議を叫んだことを記念する日である。この演説を受け、偶像崇拝政府〔=革命前のパフラヴィー体制〕の役人どもは卑しくも、イマームの自宅の塀を越え、師をゴムからテヘラン、そしてトルコへと追放したのであった。

 同師は58年アーバーン月13日〔1979年11月4日〕にムスリム学生らはアメリカのスパイの館を占拠したと指摘し、「この演壇では、アメリカ、そして彼らの犯罪行為について多くのことが語られてきた〔ので、今回は詳細に立ち入らないが、一つだけ言うならば〕アメリカとの闘争には信仰・信条上の根拠がある、ということだ」と述べた。

 テヘラン臨時金曜礼拝導師を務める同師は、「コーランでは、高慢/抑圧の象徴は〔エジプトの〕ファラオである」とした上で、「高慢なる抑圧者たちは、自らを特権的な存在だと思い上がっている。彼らは自分たちを、その他の人々の上に立つ存在だと考えている。そしてアメリカの政府関係者たちこそ、そういう人たちなのである」と語った。

 同師はその上で、「アメリカは過去50年間、世界25ヵ国に対して直接的な軍事攻撃を行ったり、間接的な攻撃を行ったりしてきた。これは特権的な思い上がり以外のなにものでもない」と付け加えた。

 同師は諸国民への侮蔑的態度もファラオたちの特徴の一つだとした上で、「国が直面する様々な問題は対米関係を通じて解決されるなどという、誤ったことを示唆しようとしている者がいるが、しかし歴史的現実が示すのは、〔アメリカとの関係は逆に〕問題を増やしてしまうということである」と言明した。

アメリカ大使館を「スパイの巣窟」と呼ぶことはすでに一般化

 イスラーム革命歴史研究財団のハミード・ロウハーニー理事長〔※ハサン・ロウハーニー大統領とは別人〕も、昨日のテヘラン金曜礼拝前の演説で、「イマーム・ホメイニーがイランにあるアメリカ大使館について〔スパイの巣窟だと〕呼んでから34年が経ち、今やアメリカと杯を共にする国でさえ、世界中にあるアメリカの大使館はスパイの巣窟であることを認めるようになっている」と述べた。

 イラン国営通信の報道によると、ハミード・ロウハーニー師はさらに、「『アメリカに死を』のスローガンを続けるとは、何という強情か、との疑問の声を時に聞くが、これには次のように言わねばならない。すなわち、イスラームの敵や圧制者に対する呪いと憎しみ、嫌悪の念はシーア派の教義の根本の一つだ、ということだ」と付け加えた。

ハビービー「反抑圧はイスラーム革命の本質の一部」

 イスラーム連合党総書記のハビービー氏も、反抑圧主義はイスラーム革命の本質の一部だとした上で、「もしアメリカが依然として、自らの抑圧者としての精神を保ち続けているのなら、それがいかなるものであれ、同国との関係からイラン・イスラーム共和国の利益を維持することは不可能である」と述べた。

 モハンマド・ナビー・ハビービー氏は「アメリカのイラン国民に対する敵意は根源的なものであり、表面的なものではない」とした上で、「もちろん、もし彼らが実際的な行動によって、この敵意を軽減させ、信頼醸成に向けた一歩を踏み出すのなら、その時は、アメリカとの関係について、彼らの善意が証明された後に考えることも可能だろう」と付け加えた。

 同氏はさらに、「これまでのところ、アメリカがこれまでの敵意を排除したり、それを止めたりしようと、前向きな一歩を踏み出した事実はない。しかし、もしアメリカが態度を変えるのなら、対話への道も開かれるだろう」と続けた。

サッファール=ハランディー「『アメリカに死を』のスローガンは協議の過程に影響を与えない」

 公益判別評議会の委員を務めるサッファール=ハランディー氏は、「『アメリカに死を』は協議の過程にいかなる悪影響ももたらさない。むしろ協議を担当するイラン人外交官にとって追い風となる」と述べた。

〔‥‥〕



本記事はAsahi 中東マガジンでも紹介されています。

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( 翻訳者:ペルシア語記事翻訳班 )
( 記事ID:31931 )