ZARA、トルコ撤退
2013年12月06日付 Hurriyet 紙


ZARAを展開するインディテックス・グループが「民主化されたゴージャス」を強調し、2008年に設立したUterqüeというブランドは2010年にトルコに参入した。このブランドは3年持ちこたえたが、ニシャンタシュとアクメルケズにオープンした2店舗は荷物をまとめて本国に撤退する。

ZARAブランドにより、ファスト・ファッションの先駆けとなり、世界で「ザラニズム」と呼ばれる信仰を得たスペインのインディテックスは、多大な期待を寄せつつ、2008年に設立したUterqüeというブランドは、トルコでは浸透しなかった。

「民主化されたゴージャス」と銘打ったこのブランドは、2010年にトルコ市場に参入してから2店舗(アクメルケズとニシャンタシュ)のみオープンし、激しい競争の中で、3年間耐え忍んだ。

■激しい競争環境

計18ヵ国90地域に店舗展開を行っているUterqüeの顔は2か国で微笑まなかった。内戦が勃発したエジプトと、トルコである。両国とも2店舗のみ展開できたが、トルコのアパレル小売業界は、グローバルな企業とローカルブランドが相対的に競争し合う厳くかつ独自の市場として受け入れられている。トルコの激しい競争環境に対して、Zara、Bershka、Pull and Bear、Stradivarius、 Massimo Dutti、Oysho(ザラ、ベルシュカ、プル・アンド・ベア、ストラディヴァリウス、マッシモ・ドゥッティ、オイショ)といったブランドで対応し、たいていライバルを焚き付けることで批判を受けるインディテックスは、ゴージャスの代表ブランドであるUterqüeでの成功を得られなかった。

■ロシアやメキシコに及ばなかった

Uterqüeブランドがスタートする際に、そのターゲットをメキシコやロシア、トルコといった発展が見込まれる国に絞った。UterqüeのCEOであ るコスタス・アンティミッサリス氏は、トルコとロシアの展開を同時期に開始し、トルコでもロシアやメキシコのような実績を期待していた、と語った。しかし、ロシアでは8店舗、メキシコでは9店舗に達したにもかかわらず、トルコではその地位を確立できなかった。アンティミッサリスCEOは、「イスタンブルは巨大都市です。さらに店舗を立ち上げさせる。早期拡大を目指すあまり我々の基準を落とさないようにしたいのです」と発言していた。

■手が届かないほどゴージャスなものが求められた

トルコでゴージャス感を求める消費者は、Uterqüeのような3-5年前に設立されたブランドよりも、世界的評判を持ち合わせた老舗ブランドを選ぶ。一 方で、Uterqüeは手ごろなゴージャスさ、というカテゴリーの中で大きく先を行くマイケル・コースやトリー・バーチのようなブランドと同様の実績を出せずにいる。

■スペイン本国でのみ強さを発揮

2008年7月にスペインにて同時期に5店舗をオープンさせ勢いに乗ったUterqüeは、今日本国で35店舗にまで達した。その後、メキシコ、ロシア、 ポルトガルを大きな市場と見なし、その他、ヨーロッパ、中央・ラテンアメリカ諸国それぞれに最大で2,3店舗をオープンさせることができた。米国市場には未だ参入していない。インディテックスは、140億ユーロの売り上げにより、世界で最も巨大な小売業者の一つとなっている。

■Promodも行った

アザデ・グループが去年トルコに持ち込んだPromod(フランスのファスト・ファッションブランド)は、1年半持ちこたえた。トルコにおいて、5年で22店舗を目指したフランスのブランドは、ニシャンタシュに店舗をオープンさせてから、2013年以来、イズミル、ブルサ、アンカラ、ガズィアンテプ、アンタルヤ、サムスンをはじめとして、トルコ全土に拡大することを目標としている。ニシャンタシュの店舗を今春閉店させたブランドの根幹は、1975年にさかのぼる。Promodは、50ヵ国以上1000近い店舗を展開している。トルコにそそられて国外から多くの企業がやってくるものの、非常に厳しい市場である。べスト・バイ、エレクトロ・ワールドは短期間で撤退した家電小売業者である。アパレル小売業者も、幾度となくこの市場に挑戦したが、どれも失敗におわった業者が多いのである。

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( 翻訳者:加園千尋 )
( 記事ID:32192 )