イラクでガスパイプライン敷設工事に従事していたイラン人技術者ら15名が殉教
2013年12月15日付 Jam-e Jam 紙

 イラン外務省は、イラクのバアクーバ(バクバ)東部で、ガス・パイプライン敷設会社に務めるイラン人職員らが襲われるテロ事件が起き、その結果、少なくとも15名の同胞が殉教したことを発表し、これを非難した。同省は、今回のテロの詳細については現在調査中だとした。

 〔イラン西部〕ナフト・シャフルのガスをバクダードに輸送するパイプラインの敷設計画にかかわっていたイラン人らは金曜日、作業を終えディヤーラ県ハーナキーン南東のダラールナディー〔?〕地区に戻る際、テロ組織の攻撃に遭遇した。

 イラク東部のディヤーラ県は、同国でも特に治安の悪い地域の一つで、アル・カーイダをはじめとするテロ組織が跋扈している。

 イラク治安筋はこのテロ事件後、イラク・ディヤーラ県でのイラン産ガス輸送パイプライン敷設計画に対する武装集団の攻撃によって、16名のイラン石油省関係者が殉教したと発表したが、しかし〔イラン東部〕ガスレ・シーリーンの副知事は昨日正午、イラン国営通信に「ホスラヴィー国境に駐在するイラク当局者の発表、ならびに本件に関するその後の調査によると、イラク・ディヤーラ県で起きたテロ事件によるイラン人殉教者の数は18人に上る」と述べた。

 その一方で、イラン国営通信が昨夜、最新の数字として報じたところによると、バアクーバでのテロ攻撃の結果、イラン人15名、イラク人2名が殉教したとの由である。同じ報道によると、それ以外に4名が負傷したという。

イラク政府、調査委員会を立ち上げ

 イラク政府は金曜日夜、イラン人技術者・労働者らが殉教した今回の事件を受け、調査委員会を立ち上げた。駐バクダード・イラン大使のハサン・ダーナーイーファル氏はイラン国営通信に、この委員会はイラクのヌーリー・アル・マーレキー首相の命令で、同国の軍高官や治安当局の出席の下、立ち上げられたことを明らかにした。〔‥‥〕

 ダーナーイーファル氏は、金曜日に起きた犯罪行為はイランを標的としたものとは考えられないとした上で、「この計画にかかわっていたイラン人技術者や職員らは、苦しみに喘ぐイラク人への貢献のために働いていたのであり、計画実施の受益者は間違いなくイラク国民である。それゆえ、今回のテロ行為はイラク国民を標的としたものだったのである」と述べた。

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 こうした中、ファールス通信は情報筋の話として、今回のテロ攻撃の詳細について、「情報によると、パイプライン敷設にかかわっていた従業員らが作業を終えて休憩場所へと向かっていた時に、彼らが乗っていた三台の車両にRPG〔※携帯式対戦車擲弾発射機RPG-7のことと思われる〕から発射されたミサイルが着弾した」と報じた。

 ファールス通信によると、負傷したイラク人労働者はロイター通信記者に、これとは異なった情報を伝えている。それによると、作業員らがパイプラインの敷設作業を行っていたとき、3台の車両が彼らの方へと接近、3名の人物が降車し、小銃を乱射したという。

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 他方、ある情報筋はファールス通信記者に、「イラク当局がわれわれに伝えたところでは、今回のテロ攻撃はアル・カーイダによって計画されたものであり、その目的はイランとイラクの経済関係を混乱させることにあるとのことだ」と述べた。

 この人物はさらに、「今回の事件で、イランからイラクへとガスを輸出するパイプラインの敷設工事が中断することは断じてない」と強調した。

 この報道によると、バグダードやバスラに通じるパイプラインによってイラン産ガスをイラクに輸出する契約がすでに2つ、イランとイラク両政府関係者の間で交わされているとのことである。

 イランとイラクの経済協力関係はサッダーム政権の崩壊後、著しく強化され、イランはイラクにとって最も重要な経済パートナーの一つとなった。実際、イラクのジーカール県知事によると、同県だけで石油・エネルギー関連その他150あるプロジェクトがイラン企業に委託されている。

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( 翻訳者:ペルシア語記事翻訳班 )
( 記事ID:32341 )