アメ車はいかが?:「輸入禁止」でもドライブ可能
2013年12月26日付 Jam-e Jam 紙


【ジャーメジャム:エマード・エッザティー】アメ車はいかが? え?アメリカ車の輸入は禁止されているって?たしかに、あなたはアメリカ製自動車をテヘランや大都市の通りでは見かけないだろうし、もし目にしたとしてもその数は、片手の指で数えられるほどだろう。だから、この車を買うことはできないというのだろうか。あなたへの答えは、「イエス」であり、「ノー」でもある。

そうだ、一方では、あらゆる法的制限と禁止はまちがいなく厳然と存在している。しかし、他方では、これらの間に大きな「しかし」が存在する。それは、物事にはつねに例外が存在するということだ。すなわち、不可能なことは何もない、ということ。輸入禁止のアメリカ車を購入しそれに乗ることでさえも。

それでは、どうすればアメ車を買って乗りまわすことができるのか?――知りたいあなたは記事の続きをどうぞ!


すべてはアラスから始まる

実は、あらゆる種類のあらゆる自動車は、国内の全自由貿易地区[※1]へ自由に輸入することが出来る。それゆえ、アメリカ車も自由貿易地区のどこにでも輸入することができるのだ。

※訳注1:イラン国内にはペルシア湾岸のキーシュ島などをはじめとする、8つの自由貿易地区が指定されている。


しかしこれら自由地区の中でもイラン北西部に位置するアラス[※2]は例外である。

※訳注2:アラス川(ナヒチェヴァン自治共和国、アルメニア共和国、アゼルバイジャン共和国との国境)沿いに広がる「アラス貿易産業自由地区」を指す。

なぜなら同地区はアメリカ車の販売・供給センターとなっており、現在この地域とその近隣都市及び州においてアメリカ車販売代理店が設立されている。

なかでも、タブリーズとラシュトはこれらの代理店が席捲している都市である。それゆえこのセンターに問い合わせ、かつもちろん若干の制限を受け入れれば、あなたもアメリカ車を購入し乗ることが出来るのだ。また法的に認められた機会を利用すれば、イラン全土をドライブすることだってできる。こうして、近ごろイラン北部はフォードやダッジ、キャデラック、シボレー、ビュイック・GM(ジェネラルモーターズ)で溢れるようになったのだ。

このような自動車購入は個人に対して禁止されておらず、誰もがこれらの車を購入することが出来る。しかし、輸入法人及び個人輸入業者は、諸々の条件と必要な許可をアラス自由地区で取得していなければならない。
それには、「アラスヴァンディー」[アラス市民権]という名のカードを利用すれば自動車を輸入しそれをあなたの元へ届けることができる。


アメリカ車に乗ることの諸制限

アメリカ車に乗るには決して無視できない制約がある。なぜなら、アメリカ車のナンバープレートはアラス自由地区のナンバープレートだからである。特定地区における通行制限は、その地区を基準として適用される。
最も主要な制限はアラス自由地区半径135キロメートル内のみを走行できるという制限である。違反した場合車の所有者は多額の罰金を支払うことになり、違反者には法律に基づいた対応がなされるだろう。

例えば、エマームザ-デ=イェ・ハーシェム[マーザンダラーン州アーモル県」以南・以東をアメリカ車が通行することはできない。これらの制限区域は自動車に取り付けられた測位システム、すなわちGPSを通して監視される。とはいえ、アメリカ車、および、自由地区のナンバープレートを持つ他の自動車は一年間のうち2か月間は指定された制限区域外を通行することが出来る。その2か月というのは、もちろんファジュルの10日間[イスラーム革命が成立した2月11日の前の10日間]であり、ノウルーズ[イラン暦の新年]にも何日かが政府からのお年玉として国内での交通許可が下される。また、個人の休暇期間中にはイラン国内から国外へ旅行することも出来るのだ。

結局のところ、アメリカ車も自由地区の他の自動車と同様に一定期間ののち、すなわち、法律に基づき5年間と指定された期間の後、通行税を支払った上で、区域外に乗り入れることができるし、通常のナンバープレートを取得することもできる。

これらすべてを承知したうえで、もしあなたがアメ車に乗ってみたいというのなら、是非どうぞ!



本記事はAsahi 中東マガジンでも紹介されています。

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( 翻訳者:8410105 )
( 記事ID:32503 )