ハーメネイー最高指導者「タクフィール派はイスラーム世界にとって大いなる脅威」(2)
2014年01月20日付 Jam-e Jam 紙


 同師は深い憂慮の念を示し、次のように付け加えた。

一部のタクフィール主義者は、卑劣なシオニスト体制に注意を払う代わりに、イスラームとシャリーアの名の下で、多数のムスリムにタクフィール(背教徒宣告)をし、〔ムスリム間の〕戦争と暴力、対立のお膳立てをしている。それゆえ、タクフィール主義という潮流の存在は、イスラームの敵にとって、まさに吉報なのである。

 革命最高指導者は、「かれ〔=預言者ムハンマド〕と共にいる者は不信心の者に対しては強く、挫けず、お互いの間では優しく親切である」という貴い章句〔※コーラン「勝利章」第29節より〕に言及し、「タクフィール主義は、神のこの明確な命令を無視し、ムスリムを《ムスリムと不信心者》に分けて、彼らを相争わせているのだ」と続けた。

 同師は次のように問うた。「こうした状況下で、このタクフィール集団の存在と、それに対する資金・武器支援が、抑圧諸国やその傀儡政権の邪悪な治安組織による仕業ではないのではないかと疑念を抱くことなど、誰にできようか」。

 アーヤトッラー・ハーメネイー閣下はこうした事実に注意を促した上で、タクフィール主義はイスラーム世界にとって大いなる危険だとし、イスラーム諸国に対して十分注意・警戒するよう呼びかけた。同師はさらに次のように続けた。「残念なことに、一部のムスリム政府は、こうしたグループを支持することがいかなる結果をもたらすのかに、注意を払っていない。彼らはこの危険が、例外なく彼ら自身にも飛び火するということを理解していない」。

 イスラーム革命最高指導者は、ここ3〜4年間のシーアとスンナの間の対立激化とムスリム諸国民間の紛争増加は、複数の国で起きている「イスラームの目覚め」の深化に対する世界の圧制者たちの反応に他ならないとの見方を示した。

 同師は、「抑圧者たちはイスラームの目覚めを色褪せたものにするために、イスラームの各宗派の信徒たちを互いに争わせ、さらに殺害した人間の肝臓を喰らうなどといったタクフィール集団の禍々しき行動をクローズアップすることで、イスラームの原理がいかに醜悪なものであるかを、国際世論に訴えようとしているのである」と続けた。

 イスラーム革命最高指導者は、「こうした問題は一度に出現したものではなく、世界の列強はそのために、長い年月をかけて計画を立て、策を講じてきたことに、疑いの余地はない」と強調した。

 アーヤトッラー・ハーメネイー閣下は、〔イスラーム世界の〕団結を疎外するあらゆる要因に対抗することが、シーアとスンナ、その他の宗派の大いなる責務だとした上で、「政治や学問、宗教の指導者たちには、イスラームの諸社会に団結を醸成する重い責任が課せられているのである」と指摘した。

 イスラーム革命最高指導者はこのことについて、イスラーム世界のウラマーたちに対しては、〔ムスリム〕諸国民を宗派対立から遠ざけるよう、大学の学者たちに対しては学生たちにイスラーム的目的の重要性を説明するよう、イスラーム共同体の政治指導者たちに対しては、〔自国の〕人民を頼りにして、外国人やイスラームの敵たちを遠ざけるよう、それぞれ呼びかけ、「今日イスラーム世界にとって最も重要な問題は、団結である」と強調した。

つづく




本記事はAsahi 中東マガジンでも紹介されています。

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( 翻訳者:白糸台国際問題研究所 )
( 記事ID:32675 )