ハーメネイー最高指導者「タクフィール派はイスラーム世界にとって大いなる脅威」(1)
2014年01月20日付 Jam-e Jam 紙


 イスラーム革命最高指導者のアーヤトッラー・ハーメネイー閣下は、親愛なるイスラームの預言者の歴史的生誕と、第6代イマーム・サーデグの祝福に満ちた誕生を祝うめでたき記念日〔=イスラーム太陰暦ラビーユル・アッワル月17日、西暦で1月19日〕に際し、国の責任者やイスラーム団結会議の招待客、ならびに一般市民らと面会し、最後の預言者が思い描いていたものを実現させるよう、イスラーム世界に呼びかけた。同師はその上で、「今日、イスラーム世界が抱える最も重要な問題は、団結である。いかなる陰謀があろうとも、《団結と高い意識、そしてイスラームの目覚め》の光の下にあれば、イスラーム共同体の将来は輝かしく、吉兆に溢れたものとなろう」と強調した。

 最高指導者事務所の広報サイトが伝えたところによると、アーヤトッラー・ハーメネイー閣下は偉大なる預言者ムハンマド・ムスタファー閣下とイマーム・ジャアファル・サーデグの祝福に満ちた生誕の記念日を迎えたことに祝意を表した上で、人類解放に向けたイスラームの基本的道として、「蒙昧からの解放」と「専制的な政府による不正義と圧制からの解放と公正なる政府の樹立に向けた努力」の二つを挙げた。

 同師はその上で、「ムスリム諸国民は内なる思想の自由を確立し、《政治的独立、人民的政府の樹立、宗教的人民主権の確立、そしてイスラームのシャリーアに基づいた運動》を成し遂げることで、親愛なるイスラームが考える自由へと自らを至らしめるべく努力すべきだ」と訴えた。

 同師はイスラーム共同体が真の自由と幸福を手に入れるのを阻止するために、イスラームの敵が張り巡らせている陰謀は、複雑怪奇にして多面的なものだとした上で、「抑圧諸国の謀略の中心は、ムスリムの間に対立を引き起こすことなのだ」と指摘した。

 アーヤトッラー・ハーメネイー閣下はアメリカならびにその他の世界の圧制者たちによる専制的企ての一例として、ムスリム諸国民からパレスチナ問題を忘却させ、犯罪的かつ略奪的なイカサマ・シオニスト体制の存在を押しつけるために、彼らが65年間にわたって注いできた努力について触れ、次のように付け加えた。

レバノン33日間戦争〔=2006年夏にレバノンで起きた、イスラエルとヒズブッラー間の戦争〕、ガザ22日間戦争〔=2008年12月から2009年1月にかけてガザで起きた、イスラエルとハマース間の戦争〕、そしてガザ8日間戦争〔=2012年11月中旬に起きた、イスラエル軍によるガザ侵攻を指す〕が示したのは、外国人の利益の事実上の守護者となっている一部の政府〔※サウジをはじめとするペルシア湾岸諸国を指す〕を除き、ムスリム諸国民は高い意識を持って、パレスチナのアイデンティティと実在性を守り、シオニスト体制ならびにその支援者らにしっぺ返しを食らわせた、ということである。

 革命最高指導者はイスラーム世界が抱える諸問題をマクロな視点から一望するなかで、イスラーム共同体にパレスチナ問題への関心を失わせることこそ、イスラームの敵が〔イスラーム諸国内で〕内戦を仕掛け、対立を煽り、過激なタクフィール思想〔※〕を普及させようとしている、大きな理由の一つなのだと指摘した。

※訳注:一部のムスリム(イスラーム教徒)を不信仰者(カーフィル)だと宣告することを「タクフィール」(背教徒宣告)といい、「タクフィール思想」とは、そうすることで自分とは異なった信条のムスリムの殺害を正当化する思想のこと。過激なスンナ派によるシーア派信徒への攻撃は、この思想に基づくものである、というのがイラン体制側のスタンスとなっている。

つづく




本記事はAsahi 中東マガジンでも紹介されています。

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( 翻訳者:ペルシア語記事翻訳班 )
( 記事ID:32674 )