『北の国から』:近代の日本人の暮らしの物語(上)
2014年01月30日付 Jam-e Jam 紙


連続ドラマ『北の国から』全7章のうち、イランで放映されたのは第1章のみ

【ラーダン・ベフブーディー】イラン暦60年代〔西暦80年代〕のテレビ・ドラマやアニメは、視聴者の記憶に永久に刻まれており、そのためその時代から30年余りを経た今も、当時の視聴者や愛好家たちは再放送が決まると、相も変わらず熱心に観賞するものだ。他方、これらのドラマ・アニメは若年層の視聴者にも人気を博している。

 〔イラン国営放送の〕「タマーシャー(鑑賞)」チャンネルで目下再放送中の連続ドラマ『北の国から』は、60年代 〔西暦80年代〕 に大きな人気を呼んだ海外ドラマの一つだ。視聴者の多くはその物語、そして中でも雪深い山間部の情景と共に始まるドラマのオープニングを記憶していることだろう。もしかしたら、ドラマの内容自体よりも視聴者の記憶に残っているのは、雪の美しい描写と共に流れていたテーマ曲の方かもしれない。「タマーシャー」チャンネルでの再放送を記念して、この日本の人気連続ドラマについてご紹介しよう。

東京から北海道へ

 連続ドラマ『北の国から』は、ゴロー(五郎)という名の或る男の物語だ。彼は妻と別れた後、娘と息子を連れて、東京から日本北部の島、北海道へと帰郷し、新たな暮らしを始める。ドラマは五郎の息子が母に綴る手紙とともに、彼自身がそれをドラマの中でぎこちなく読みあげる形で展開するが、ストーリーはこれで終わりではない。このドラマのストーリーは大変な人気を博し、このドラマの制作は短期間なものに限定されることなく、〔放送終了後もスペシャルドラマとして〕物語は20年間にわたって続いたのである。視聴者はこの間、五郎の家族、そして彼の娘と息子の生活を、18年間追っていくことになる。

 この連続ドラマの制作を担当した日本のフジテレビジョンは物語の続きで、五郎の子供であるジャン(純)とフータロー(蛍)の学生時代や青年期、結婚、そして人生の様々な障碍や絶望に直面する壮年期の生活〔の諸相〕が、精励恪勤な父親からの精神的な支えとともに、描き出されている。ドラマ『北の国から』は、一種の伝統と近代の対立〔の物語〕である。

 物語の最初の部分では、北海道・富良野の山村での暮らしに対する子供たち、取り分け純の反抗が描かれる。東京での暮らしを経験してきた純は、都会的なアメニティのない小さな山村での暮らしに気が進まない。しかし物語が展開すると、子供たちはこの山村での暮らしに興味を持つようになり、父親への親しみを深めていく。

 20年間にわたって放映されたこのドラマのその後の物語では、私たちは五郎の子供たちが遭遇する多くの事件・出来事を目撃することになる。彼らが成長するにつれて、彼らの遭遇する問題も増えていく。そして〔各話で子供たちの遭遇する〕問題が、次のシーズンのドラマでの事件や出来事の伏線となっているのである。

つづく




本記事はAsahi 中東マガジンでも紹介されています。

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( 翻訳者:8408172 )
( 記事ID:32979 )