イランとイラク、国境問題で和解(1):1975年《アルジェリア協定》執行で合意
2014年02月27日付 Mardomsalari 紙
イラクのズィーバリー外相[写真左]とイランのザリーフ外相[写真右](radiofarda.com より)
イラクのズィーバリー外相[写真左]とイランのザリーフ外相[写真右](radiofarda.com より)

【政治部】イラン-イラク間の国境における緊張関係は政治的・法的・歴史的に長い経緯があり、サダム・フセインによる《強要された戦争》〔イラン・イラク戦争〕が勃発した原因の一つとしても挙げられる。その30年後、バース党政権が崩壊し、サダム・フセインが処刑された後、ジャラール・タラバーニー[現イラク大統領]は、《アルジェリア協定》[原文まま。一般には《アルジェ合意》など]を改正し施行に向けて取り組むことに同意していたが、実行段階には至らずにいた。

イラクは昔に比べればイランと良好な関係にあるが、依然として《アルジェリア協定》に対しては、より多くの権利を有すると信じている[※1]。そんな中、国境の権利を維持しつつ、アルヴァンド川〔シャットル=アラブ川〕の浚渫[堆積土砂の除去]や船舶の航行といった問題を解決するための二国間協議は、両国の国境関係における新たな一章という変革への素地を生じさせたのだ。

※訳注1:シャトル・アラブ川の水路のイラン側川岸を国境とするか、川の水路の中央を国境とするかで、両国は歴史的に対立してきた。《アルジェリア協定》では、国境線は水路の中央線と定められ、両国の船舶は、境界線にかかわらず自由に航行できると定められており、イラク側が大幅に譲歩した内容となっていた。

変革、そして、イラクで続く不安定な情勢と二国間の関係強化に関する、[イランの]ザリーフ外相とイラクのズィーバーリー外相の協議は、双方がテヘランにおいて新プロセスを語る機会を用意した。

我が国の外交機関トップであるザリーフ外相は次のように述べた。

アルヴァンド川に関するイラクとの1975年合意〔アルジェリア協定〕の施行に関して我々は合意に達した。この合意書はイラクにおいて早急に法的な段階を経た後、両国外相による署名が行われる予定だ。

モハンマド・ジャヴァード・ザリーフ外相は、水曜[2月26日]午後にイラクのフーシヤール・ズィーバーリー外相との共同記者会見で、この発表を行い、次のように明かした。

喜ぶべきニュースがある。今回の話し合いで、我々はアルヴァンド川の問題と1975年協定の施行に関して合意に達したのだ。専門家間で実現したこの合意への署名のために、ズィーバリー外相はイランでの法的手続きを経たのち再びイランを訪れ、2度目となるイラン訪問での再会を果たしているであろうことを、我々は心待ちにしている。

ザリーフ外相は、こうした動きは両国国民の利益となり、地域の平和、安全保障とその発展に資するものだと指摘した上で、次のように述べた。

双方の法律家チームが何か月にもわたって大きく力を尽くしてくれた。これが両国の国民とその発展にとって極めて前向きな動きとなることを期待している。

イラン外相は共同記者会見のなかでさらに続けて、地域におけるイラクの新たな役割と影響力の復活について次のように述べた。

 我々の地域では、テロ対策において様々な領域での協力が不可欠で、これに関してお互いに話し合わなければならない。イラクはこの地域の枢要かつ中核となる国家として極めて重要な役割を果たさなければならないのだ。

我々は地域において過激派やテロリズムなどの似通った問題に直面しており、間違いなくイラクは地域諸国の安全保障と相互協力、地域の安定に関する全ての話し合いにおいて中心的な役割を担っている。

イラクはこの地域で起きている過激派や暴徒による事件に最も苦しんできた。そして今日でも、イラク国民はその犠牲者となっている。それゆえ我々とすべての地域諸国は一致協力して、中東地域におけるこの危険な動きの広がりを阻止し、それを食い止める義務があるのだ。


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( 翻訳者:8410068 )
( 記事ID:33165 )