欧州議会、反イラン決議を採択:国内から反発の声(上)
2014年04月05日付 Jam-e Jam 紙

 欧州議会が反イラン決議を採択したことに対し、国内の当局者からは大きな反発が起きている。昨日の金曜礼拝での説教でこの決議を非難した全国の金曜礼拝導師らに加え、外務省報道官やその他の当局者の一部も、この件について相次いで反応を示している。

 イラン国営放送報道センターが伝えたところによると、欧州議会は木曜日、フランスのストラスブール市にある議場で、23の条項からなる、我が国に敵対的な内容の決議案を採択した。

 EUの主張によれば、この決議はイランに対するEUの戦略を描くものだという。もちろん、その戦略は協力の拡大ではなく、対決的アプローチによって編成され、採択されたものである。欧州議会はこの決議案に賛成票を投じることで、これまで再三繰り返されてきたプロジェクトではあるが、再びイランを人権侵害の廉で非難した。決議案への投票の際、欧州議会は決議案のこの箇所〔に対する討議〕にもっとも多くの時間を意図的に割いた。

 この干渉主義的な決議は、我が国の先の大統領選挙がヨーロッパのスタンダードに合致していないと認定し、さらに・反乱〔=2009年大統領選後の抗議運動〕にかかわった罪で有罪判決を受けた者たち、特に反乱の首謀者たち〔※ミール・ホセイン・ムーサヴィーら〕の釈放、・ジャーナリスト職業組合の再開、・アフマド・シャヒード国連人権特別報告官への〔イラン〕訪問の許可、・テヘランにおけるEU事務所の開設、・反乱にかかわった罪で有罪判決を受けた者たちや反体制活動家との面会を条件としたヨーロッパ派遣団のイラン訪問、そして最後に・イランにおける同性愛者たちへの制限・禁止の撤廃、などを主に要求する内容となっている。

 欧州議会はこの決議を採択した後、「EUはイランの核問題以外にも、同国に対する戦略をもつべきである」との声明を発表している。これは、我が国の多くの責任者や専門家たちが警告しているあの問題、すなわち西洋がイラン〔を非難する〕ための口実作りを継続していることをよく示している。

 欧州議会でこの決議が採択されたことを受け、イラン外務省報道官は「欧州議会はイランとの関係をめぐる戦略について決議を採択し、その中で再三にわたる変更の末、人権状況について集中的に取り扱っている。こうした決議には根拠がなく、受け入れがたいものである」と述べた。

 メディア外交局が伝えたところによると、マルズィーイェ・アフハム報道官はさらに、次のように続けた。

欧州議会内のより現実主義的なグループや、ヨーロッパの独立した精神の政治関係者たちは、〔これまでの対イラン〕関係におけるアプローチをいま変えることが、〔イランとEU〕両者の利益につながるとみなしている、そうした状況下で、〔欧州議会が〕急進派〔の意見〕に追随することは、間違いなく、誰よりもヨーロッパの利益を害するものであり、その影響は将来に及ぶだろう。

 同氏はまた、「欧州議会に勧告したいのは、協力のチャンネルを狭めるのに努力するのではなく、その代わりに〔イランとEUのあいだに〕共通の理解を作り上げ、互いに対する敬意と共通の利益にもとづいたより好ましい状況を打ち立てるための道を模索すべきだ、ということである」と語った。

 アフハム報道官はさらに、次のように続けた。

さまざまなテーマや協力の範囲についてのイラン・イスラーム共和国の明確な立場、見解は過去数ヵ月間の接触のなかで、EU議員団やヨーロッパ当局者たちにすでに伝えてあり、強く申し入れてある。優越感を求めるようなアプローチに意味もなく固執し、〔反発を受けることが予想されるような〕試験済みのやり方を繰り返すことは、誤った道を歩む行為だ。

〔‥‥〕

 アフハム報道官はさらに、

〔欧州議会内で反イラン決議を推進した〕これらの人たちやグループ、さらには〔EUを構成する〕国々は、ダブルスタンダードで利益追求的な考え方、世界の新たな現実に対して恣意的で人種主義的な姿勢を保持しており、世界のその他の国々にあれやこれやと指示することのできるような立場にはいない。

 と続けた。

つづく





本記事はAsahi 中東マガジンでも紹介されています。

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( 翻訳者:ペルシア語記事翻訳班 )
( 記事ID:33465 )