イラン-ロシア外相会談、「シリア情勢、両国の最優先課題のひとつ」
2014年04月23日付 Jam-e Jam 紙
カスピ海沿岸5か国の外相会議に参加するためロシアを訪れているイラン外相は、昨日、会議開催の前に、ロシア外相セルゲイ・ラブロフ氏と面会し、両国や周辺地域 、国際社会の様々な議題について、会談した。
イラン国営通信の報告によると、イラン・ロシアの両外相はこの会談で、地域の安全保障やテロリズムといった広範囲の地域的問題・国際問題において、話し合いを継続する必要性を強調した。そして、選挙を目前にし注目を集めるシリア情勢を含む、地域的・国際的な変化が、ザリーフ-ラブロフ会談の主要テーマのひとつとなったのである。
イラン・6か国の核協議についても、この会談で取り上げられ、両国は設定された時間内に、全体的な解決へと至るよう希望すると述べた。
ザリーフ外相は、この会談を前にインタビューで以下のように述べた。
イランとロシアは、二国間レベル、また、地域・国際レベルにおける様々な議題について継続した話し合いを行っている。カスピ海沿岸諸国外相会議に参加するためのモスクワ訪問も、その一環である。
同外相は、モスクワ入りした直後の記者会見で、以下のように述べた。
テヘランとモスクワは、イランの核開発計画の問題、中東地域で現在起きている様々な変化、シリア情勢などの諸々の問題に関連して、絶えず話し合いを行い、立場を調整している。
また、ザリーフ外相は、平和の樹立とテロリズムとの闘いへの努力を、イランとロシアの最も重要な優先事項のひとつとして、シリア情勢の危機を挙げた。
ザリーフ外相は、さらに、以下のように語った。
カスピ海沿岸諸国は、新たな法体制が樹立されるまで、1921年と1940年の合意書に基づく合意体制、および 、交易船舶の航行の自由、漁業、沿岸諸国以外の国々の船舶・旗[船籍]の航行の禁止、漁業水産の制限区域[の設定]などの事項が、今まで履行されてきたように、今後も実行されていくことを強調した。
ザリーフ外相は、国境の画定における公正さ、およびカスピ海の法秩序の樹立における、5国間の見解の一致の必要性を強調して、こう述べた。
残念ながら域外の関係各国の一部は、カスピ海を石油やガスなどのエネルギー資源と同一視しており、自然環境、生物資源、恒久的平和と安定といった他の視点は見落とされている。
ロシア外相、セルゲイ・ラブロフ氏もまた会議の始まりに際し、今日の会議は、2014年9月にロシアのアストラハンで開催される第4回カスピ海沿岸諸国首脳会議の事前準備となるであろうと述べた。
同ロシア外相は、加えて、以下のように語った。。
カスピ海沿岸諸国の首脳らは、カスピ海の基本的な問題、および、同沿岸地域の福祉、国家間の友好関係の強化に特別の関心を払っている。過去においても友好的な関係の中で相互協力を行ってきた。カスピ海沿岸諸国外相会議は、モスクワで、イラン・イスラーム共和国、ロシア、アゼルバイジャン共和国・カザフスタン、トルクメニスタンの外相らが揃って記念撮影を行い、開幕したのである。
本記事は
Asahi 中東マガジンでも紹介されています。
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( 翻訳者:8410081 )
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