森林火災、4割増
2014年07月26日付 Jam-e Jam 紙

 林野庁保護部隊司令官は、今年に入って国内での森林火災が昨年比で4割増えたと指摘した上で、「今後2ヵ月以内に、消火設備を備えた車両100台が、森林火災が頻発している各州に提供されることになっている」と述べた。

 ガーセム・サブズアリー氏はメフル通信とのインタビューの中で、さらに「今年に入って国内で気温が極度に上昇し、また渇水が続いていることから、森林や草原で火災が次々と発生することは避けられない」と付け加えた。

 同氏によれば、重要なのは国内の森林で起きた火災をどのように消すかであるが、残念なことに、予算不足から林野庁は迅速かつ完全な消火活動に必要な機材を備えられずいるという。にもかかわらず、同庁は今年、森林火災に起因する被害を最小限に抑えるための大規模な計画作りを行っている。

 サブズアリー氏は、「そうした取り組みとしては、火災の初期消火のための機材を地元社会に提供するためにNGOと協力したり、森林火災の際に迅速に協力をするために、赤新月社や治安維持軍、危機管理センターをはじめとするその他の機関と合意文書を取り交わしたり、といったことが挙げられる」と指摘、さらに

ここ1〜2ヵ月の間に林野庁が実施する予定の施策としては、その他に、自動車メーカーと協力して消火設備を備えた車高の高い車両100台を調達するなど、消防車両の強化を図ることが挙げられる。

 と付け加えた。

 同氏はまた、「ヘリコプターや〔森林〕保全、専門部隊の育成などに充てることのできるような予算は、林野庁にはない」とも述べた。

 サブズアリー氏は、国内の森林は人の立ち入りが困難な山岳地帯にあり、そのためシャベルと消化器を携帯した部隊を派遣するといった通常の方法では、適切とは言えないと述べた上で、「もちろん、このようなやり方では成果は期待できない。現在トルコで行われているような、上空から消火を行うようなシステムが、森林火災に対抗するための唯一の方法だ」と指摘した。

航空機の使用が唯一の対抗策

 同氏によると、トルコが行っている消火システムには、3分で7千リットルもの給水が可能な航空機が5機用いられているが、イランは制裁が科され、また巨額な予算が必要であることから、当面のところ、こうした装備が実現する可能性はまったくないという。

 同氏はその上で、「もちろん、エスファハーンにあるイラン航空産業も航空機の製造に着手しており、欠陥が取り除かれれば、こうした航空機を消火に用いることは可能だろう。しかし、そのためには長い時間が必要だ」と指摘した。

 同氏はまた、「もちろん、火災が頻発している地域に貯水池を設けることも、森林火災に対抗する重要な手法の一つである。これに関する計画作りや検討はすでに始まっており、今年の終わり〔=2015年3月20日〕までに運用できるようになることを期待している」と強調した。

〔‥‥〕

 同氏は、今年に入って森林火災が特に多い州として、ファールス州やフーゼスターン州、ロレスターン州、コルデスターン州、コフギールーイェ・ブーイェルアフマド州、ケルマーン州などのザグロス山脈に面した各州、ならびにゴレスターン州を挙げている。

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( 翻訳者:ペルシア語記事翻訳班 )
( 記事ID:34971 )