アルジェリア:アマーズィーグ人の王の彫像をめぐり論争が白熱(1)

2021年01月12日付 al-Quds al-Arabi 紙

■彫像とファトワーのはざまで…アマーズィーグ暦新年を迎えるアルジェリアの「頭痛」

【アルジェ:アナトリア通信、フッサームッディーン・イスラーム】

アルジェリアでアマーズィーグ人の王であるシェションク王の彫像が設置された一方で、アマーズィーグ暦の新年を祝うことを禁ずる過去のファトワーが拡散されたことは、文化界やマスメディア、およびSNS上で広い論争を巻き起こした。

西暦2021年の1月12日はアマーズィーグ暦2971年の元日にあたる。同日は、2017年にアブドゥルアズィーズ・ブーテフリーカ前大統領が祝日(ヤナーイル)に定めると発表している。


〇シェションク王とは

東部のティージー・ウズー県では、この「ヤナーイル」に際してシェションク王(またはシシャンク王)の像が設置された。シェションク王(在位:紀元前929-950年)は、北アフリカで最も名高いアマーズィーグ人の王の一人と言われてきた。

歴史家らによれば、シェションク王はエジプトのファラオであったラムセス3世を打ち破り、何年にもわたる支配を確立したという。

この新年の祝賀を発端に、SNS上の活動家らは、アルジェリアで最も著名なサラフィー主義のシェイフであるムハンマド・アリー・ファルクース師が2006年に発したファトワーを拡散した。ファトワーは「ヤナーイル」を祝うことは許されないと判断を下している。

なお、このファトワーは同年5月21日にファルクース師の公式ウェブサイト上で「ビドア*にあたる祝祭日の食事に関する裁定について」という題で発表されたものだ。

そのなかで、同師は「至高なる神はジャーヒリーヤ時代の祝祭日を廃止され、イスラームの民には代わりに、皆が集まってズィクルと**礼拝を行うための2つの祝祭日を与えたもうた。それが、イード・フィトル***と犠牲祭である。」と述べた。

さらに、このファトワーでは「神はイスラームの民に、金曜日とアラファの日****、およびタシュリークの3日間*****に信仰とズィクルのために集まるように定められた。それ以外には祝うことは許されない」として、「ヤナーイル」や西暦の新年などに言及している。

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ビドア*:イスラーム的に正しい道から逸れた新奇な、あるいは異端の考え方・行為・モノなどをさす。
ズィクル**:神を想起し祈ること、唱念。
イード・フィトゥル***:ラマダーン月の断食明けの祝祭。
アラファの日****:ヒジュラ歴のハッジ月9日目にあたる祭日。この日の夜明けに、ムスリムの巡礼者はアラファト山とその丘の中腹にあるアラファ平原へと向かい、日没まで神に祈りを捧げる。また、アラファに赴かないムスリムもモスクやイマームの廟前で祈りを捧げる。
タシュリークの3日間*****:イード・アドハー(犠牲祭)の初日であるナフルの日を除く3日間のこと。ヒジュラ歴ハッジ月11、12、13日目にあたる。親族や友人などと集まって飲食をする。


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翻訳者:下宮杏奈
記事ID:50470