映画『ホーリー・スパイダー』のために改革派の敷くレッドカーペット

2022年05月31日付 Jam-e Jam 紙

 成功への扉は自分で開かねばならない。しかし、アミール・エブラヒーミーに与えられた賞は基本的にイランとイスラームを貶めるための政治的な計画の一部である。

【ジャーメ・ジャム電子版】このことについて、ツイートの拡散によって、この俳優を肯定的に見せ、世界トップクラスの俳優になろうとする努力を称えることに努めた人々の中には、イスラーム・イラン国民連合党の事務局長であるアーザル・マンスーリー氏や、改革派の主要な指導者の一人、モハンマド・アリー・アブタヒー師が言及できる。イスラーム・イラン国民連合党のアーザル・マンスーリー事務局長はツイッターで、「ザフラー・アミール・エブラヒーミー氏は灰の中から再び立ち上がり、今ではその成果を得た。カンヌ映画祭、おめでとう」と書いている。

[訳注:エブラヒーミー氏はイランのお茶の間で人気の女優だったが、2006年にセックス・ビデオの流出被害により国内でスキャンダルとなった]

 改革派ハータミー事務所のモハンマド・アブタヒー所長はまた、「ザフラー・アミール・エブラヒーミー氏は、人生に困難が降りかかっても、再び立ち上がり頂点にたどり着けることを示した。彼女自身と、挫けずに道を歩むあらゆる人に祝福を。」とツイートした。

 ここで面白いことは、これらの人物がメディア活動家やネットユーザーの抗議に直面した時、無知を装い強調するレトリックを用い、映画の内容を知らないと表明する努力をしたことだ。この主張は絶対に受け入れられるものではない。彼らがインターネットでこの映画の予告編を見ておらず、常に参考にしているBBCペルシア語放送の記事を読んでいないということは考えられない。

 自分たちに必要とあらば見ていないふりや聞いていないふりをする友人たちのための情報として、映画評論家のモハンマド・アブディー氏によって書かれた記事の一部を参照する。

 詳細に計算され再現されたマシュハドは、ほとんど全てのシーンで視聴者をその場にいるような感覚に陥らせ、(見慣れず、信じられないような状況により)視聴者に好ましからざる感覚的距離が生まれないようにしている。犯罪と並べて信仰を描き、また殺人者の経歴を前面に出して明治し、さらに政権内部からの犯人に対する暗示の支持を描くことで、作品に多層的な構造が生まれ、また魅力的な仕方で作品に地域性を与えている。あたかも、映画はマシュハド以外のいかなる場でも成立し得ないかのようであり、映画製作者はこの地の神聖さを疑問視することを厭わないかのようである。

 改革派の友人たちは、出来る限り早くこの恥ずべき侮辱的な映画への支持を取りやめた方が良い。なぜなら、映画の内容を知らないなどという子どもじみた主張はこれ以上認められないからだ。


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翻訳者:OK
記事ID:53613