バフチェリ「大統領選へカウントダウンがはじまった」

2023年01月15日付 Cumhuriyet 紙

民族主義者行動党(MHP)のデヴレト・バフチェリ党首が、クズルジャハマムで開催された同党キャンプの演説で春の大統領選挙実施を明らかにした。

バフチェリ党首がクズルジャハマムの党キャンプで記者会見を開いた。

同党首は、大統領選の準備は整っていると表明し、「MHPは情熱とやる気の点で大統領選及び総選挙への準備が完全に整っている。印象操作は無駄だ。我々の勝利を確信している。選挙へのカウントダウンが始まった。来たる春シーズンは投票と選挙のシーズンでもある」と述べた。

バフチェリ党首は、「六野党会談」をはじめとする各野党に次のように呼びかけた。「レジェップ・タイイプ・エルドアン大統領のもとに集まろう。共和人民党(CHP)、善良党(IYI 党)、六野党会談それぞれの党首には、勝つことのできないこの勝負からまだ間に合うので戻ってもらいたい。そして手を取り協力しよう。成功の分け前はあなた方のものにしてもらいたい。我々の多元性を見て、受け入れ、我々の多様性を富と見なす時が来た。」

バフチェリ党首の演説の要点は次のとおり。

「トルコとトルコ国民は時代を超えて飛躍するだろう。これが妨げられるなど論外だ。我々は(世界の)リーダー国に間違いなくなるであろう。我々に足りないものは満たされ、欠けているものも満たされる。

MHPは、忍耐強く慎重な姿勢で結束を固めてきた志のある人々ともに、あらゆる闘争に立ち向かう準備ができている。我々は諦めない。我々は壊れたり、疲弊したりもしない。迷うこともない。2023年の目標に向かって民主同盟(Cumhur ittifakı:公正発展党と民族主義者行動党による選挙同盟)とともに一歩一歩進んでいく。この同盟はトルコ国民の本質であり自信である。どこの国が近寄ろうとこの姿勢は変わらない。

われわれを知っている人は知っている。我々は自分たちのものは何も望んでいないが、ことがトルコの問題になると我々の夢は無限となる。なにものも我々を止めることはできない。

誰かのように、我々の意志が押しとどめられることはない。我々の熱意の対象は国民である。

我々は皆さんご存じのそして注目されている大統領選挙、統一選挙に向かって進んでいる。投じられる一票一票がトルコとトルコ共和国の一世紀にレンガを積み上げることになる。一票一票が完全なる独立への後押しとなる。

我々の国民が、嘘つきや外国人、そしてそうした者らのトルコにおける手先に転じた政治家を尊ぶことはないと固く信じている。泣き言を言いながら何かをすることはできない。 志のある人には希望がある。そして信念があれば可能性があり、悲観的な雲は消えていく運命にある。トルコの不幸な運命は変わった。着実な上昇、決断力のある前進がスピード感を伴って続いていくはずだ。もっと言えば、これが我々にとって実現可能な目標である。

大統領制は、議会制がもつあらゆる欠陥と異常を埋め合わせてきた。権力分立は明確になったようだ。ダビデ王は誰の首元にいても、木槌は彼の手に渡された。 こうして、国家における権威の混乱や軽薄な議論には終止符が打たれた。

大統領制は統治システムにとってワンマン的だと決めつけることは冒涜的なねじ曲げであり、重大な問題のある政治的傲慢だ。

■かつてのトルコではない

不名誉同盟(Zillet İttifakı:CHP主体の野党同盟である国民同盟Millet ittifakıを皮肉ったバフチェリの造語)にできるのは新制度への反対だけ。 寝ても覚めても大統領制度を非難する。集まったりバラバラになったりしながらシステムを中傷する。彼らはトルコがかつてのトルコではないことを知らないのだ。 我々にとって最愛の国民は、このシステムに馴染んだ。国民が生きていくのに必要なのは勇気だ。

アフメト・ダヴトオール党首(未来党)は「六野党会談から出てくる大統領が、我々の言葉を聞かなければ危機的状況が発生し再選挙になると思う」との発言で、不名誉同盟のもつ毒を吐き出した。そこからは民主主義も安定も奉仕愛も出てこないことは言うまでもない。彼らが約束するのは危機、そして共同での国家統治だ。

六野党会談はすでに危機の渦に巻き込まれている。彼らは、我々のプロジェクト、我々の計画はこれであると言うことができない。彼らが危機を体現している。

大統領制、そしてレジェップ・タイイプ・エルドアンと手を組み、力を合わせようではないか、そうすれば勝利の分け前が与えられるだろう。

エルドアン大統領に似せたマネキンを吊るすこと(ストックホルムでのデモ演出)は不名誉かつ卑劣なおこないだ。黙って見ている人間も共犯だ。スウェーデン政府の対応は不十分で、これでは我々はNATOの傘の下でどうやってともに歩むことができようか?

自分の立場をわきまえる必要がある人間がいるとすれば、それは軍に敵対し大手を振って歩いているクルチダルオール(CHP党首)だ。」


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翻訳者:原田星来
記事ID:54824