アルジェリア:ビンとたばこの背後にある差別(1)

2023年07月14日付 al-Quds al-Arabi 紙

■ビンとたばこの背後にある差別

【本紙:サイード・ハティービー】

ライの遺産のなかにはよく知られた歌があり、それは半世紀にわたって繰り返し歌われてきた。またそれは、今日でももっとも人気のある歌の一つである。時代とともに離れられないものとなり、人々の舌はその歌を記憶するようになった。冒頭では、「ビーラ・アラビーヤ・ウイスキー・カーウリー」(「ビールはアラブのもの、ウイスキーは外国のもの」という意味)と歌われる。これは一見、単純かつ美学を持っておらず、あたかも教育水準が十分でない人から発せられた一文のように見える。しかしアルジェリアでは、これは人種差別と人々の間の区別を要約したものであり、一つの社会における成員間の差別の辞書に相当することから、異なる側面を持つのである。

ここで意図されている内容は、ビールは価格が安いものとしてアラブ系アルジェリア人、なかでも貧しい人々に向けられたものであり、価格の高いウイスキーは、外国人あるいはヨーロッパ人向けのものだということである。この表現の例のように、人と人との間には差別があり、摂取する飲み物に応じて社会階層への誹謗が行われる。貧しいものは自らが押し込まれている囲いから出てはならず、決められた飲み物以外を口にすることはない。一方、金持ちには好きなものを手に入れる選択の自由がある。

(2)に進む


この記事の原文はこちら
原文をPDFファイルで見る

同じジャンルの記事を見る


翻訳者:廣瀬治基
記事ID:56068