サイード・ジャリーリー氏の選挙広報活動、活発化(2)
2013年01月17日付 Mardomsalari 紙

ウェブマガジンからブルートゥースのビデオクリップまで

 もちろん、仮想空間におけるジャリーリー氏の選挙宣伝活動は、これだけではない。サイード・ジャリーリー氏、あるいは彼の支持者たちは仮想空間上で、月一回配信のウェブマガジンの発行を始めており、今年のデイ月〔西暦2012年12/2013年1月〕にその第7号が発行されている。

  「言説」と題されたこの宣伝用ウェブマガジンでは、ジャリーリー氏の業績、特に外交分野におけるそれの宣伝を目的とした記事が配信されている。例えばこのウェブマガジンの最近の号には、「我らが兄弟サイードはマフムードの後継者」と題された記事が掲載されており、その中でサイード・ジャリーリー氏をマフムード・アフマディーネジャード大統領の後継者として紹介している。

 仮想空間におけるサイード・ジャリーリー氏とその支持者たちの活動全てにわたる共通点は、マフムード・アフマディーネジャード氏の後継者に最もふさわしい選択肢として彼が宣伝されており、そのためならばいかなる宣伝も惜しんではいないことである。〔‥‥〕

「逸脱した一派」抜きのアフマディーネジャード

 サイード・ジャリーリー氏とその支持者たちは、ジャリーリー氏がマフムード・アフマディーネジャード氏の特徴を持ち合わせた、しかし「逸脱した一派」との付き合いは一切ない人物であることを主張している。このことに加え、これらのブログではメスバーフ=ヤズディー師が頻繁に登場しており、ジャリーリー氏とメスバーフ=ヤズディー師が一体であることを暗に示している。

※訳注:「逸脱した一派」とは、アフマディーネジャードの側近中の側近とされるラヒーム=マシャーイー大統領顧問とそのグループのことで、マシャーイーの様々な問題発言・行動などから、彼のグループは彼を嫌悪する人々から「逸脱した一派」として糾弾されている。アフマディーネジャードはマシャーイーと「一心同体」とされ、アフマディーネジャード大統領が閣僚や次官らを次々に更迭しているのも、政権内におけるマシャーイー・グループへの彼らの反発が原因であるとされている。こうしたことがきっかけで、アフマディーネジャードの後見役とされた超保守強硬派の宗教指導者メスバーフ=ヤズディーも彼と距離を取るようになっている。国会内の大統領支持派は、「マシャーイー抜きのアフマディーネジャード」の支持者として自らを規定している。

 周知の通り、メスバーフ=ヤズディー師がアフマディーネジャード氏への支持を断絶するようになったのは、「逸脱した一派」が政権内における存在感を増していることが原因であった。そして今、ジャリーリー氏は自らを、まさに〔アフマディーネジャード的な〕資質をもった、しかし「逸脱した一派」抜きの候補者として、自らを売りだそうと努力しているのである。

 ジャリーリー氏とその支持者たちが多大な努力を傾けていること(そしてそれは、アフマディーネジャード大統領が行った選挙宣伝活動と酷似しているのだが)の一つとして、ジャリーリー氏が質素な生活を送っていることを宣伝していることが挙げられる。しかし、こうした宣伝手法は時代遅れなものとなっており、すでに以前のような効果はないだけでなく、ジャリーリー氏のような人物がこうした宣伝手法を活用することに、あまり意味はないように思われる。

 アフマディネジャード氏はテヘラン市長であるという状況下で、自らの質素な生活を宣伝したのであり、こうした状況で、掃除夫やその類の仕事をしている人が着るような服を着ることは、〔国民にとって〕受け入れやすいことだっただろう。しかし一外交官としてのサイード・ジャリーリー氏が、〔質素な〕手提げ袋を手にして多数のカメラの前に現れ、空港に向かう姿は、恐らく逆効果であろう。その一方で、ジャリーリー氏の監督下で交渉が行われているイランの核問題も、あまり芳しい成果を挙げているわけではない。

 ジャリーリー氏は核交渉の場において、交渉の進展よりも自らの保身に重きを置いているように見える。このことが、現在の核交渉の停滞の原因となっているのかもしれない。

つづく


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( 翻訳者:8410111 )
( 記事ID:28994 )