メフディー・ターエブ「マシャーイーは、大統領候補にならないと断言できる」
2013年03月26日付 Hamshahri 紙


「アンマール部隊」[*1]評議会議長のホッジャトルエスラーム・メフディー・ターエブは、「アフマディーネジャードよ!今日、マシャーイーのせいで自分がどんな憂き目に遭っているのか分らないのか?」と述べ、さらに、こう語った。
*訳注1:「アンマール部隊」とは、社会一般を啓蒙し、敵による《ソフトな戦争》を未然に防ぐことを目的に、数年前に立ち上げられた極右組織の一つ

アフマディーネジャードは、もはや「逸脱した一派」が溶解し、崩れ落ちて行く箇所そのものだ。「逸脱した一派」のリーダーとして、彼を認めることはできない。私から見れば、彼は「逸脱した一派」の論理を欠いた軍隊の歩兵に過ぎない。

アンマール部隊評議会議長のホッジャトルエスラーム・メフディー・ターエブがナスィーム通信との対談で語ったなかで示した、最も重要な指針は、以下の通りである。


■我々は最良の状況を迎えている。

・今日我々は、革命時代における[大統領]選挙前の状況としては、最良の状況を迎えている。
大統領選挙の期日まであまり間がないが、社会の皆が平穏を感じている。無論、平穏は無関心とは違う。なぜなら、人々は、静観しつつも選挙の動向にはつねに関心を寄せているからだ。

「内乱」[*2]とは、その中で鉄をも溶かすような炎である。しかし、鉄が溶けたときに、その結果があらわれる。それが純粋なものか、不純なものかが明らかになる。内乱を起こす者たちとは、通常人々がそれを、内部から出た者とみなす者である。しかし、彼らは内部からの者ではない。いかなる内乱であるかは、いかなる反逆者であるかによって定義されるのだ。
*訳注2:「イスラーム共和国体制の秩序を乱そうとする内乱」の意味で、体制側が用いている語。主として、2009年大統領選後、現大統領の対立候補であった、改革派ミールホセイン・ムーサヴィーを支持する若者らによって展開されたデモ・反体制運動を指す。

[…]

・革命最高指導者[ハーネメイ師]は、イスラーム体制をイマーム[ホメイニー]から引き継いだその日から、「慧眼」ということを強調していた。社会における指導者の指導力の総体は、学問と軍隊において明らかとなる。そして、指導者は、[イラン・イラク]戦争ののち、軍を文化的なものとすべく尽力した。いずれにせよ、イスラーム革命防衛隊という名称に注目するならば、このことの重要性は明らかである。そのお方[最高指導者]は、「革命とはもはや、銃を手にして戦うことではなく、文化を高めることである。それこそが重要であり、影響力をもつのだ」のおっしゃっている。

・もしハータミーが、1388年[2009年]に立候補したとしても、票を集められなかっただろう。ハータミー氏支持が期待された州は、拠点を置いていたブーシェフルだけだった。当時、ブーシェフルへの遊説では、何万人という人々が集まるとハータミーは考えていたようだ。しかし、実際に集まったのは、1500人ほどで、いずれも見物にやってきた同州のバスィージばかりだった。このことが、彼が一線を退き、彼よりも知名度の低い人物が登場して、頂点に立つ原因となったのである。つまり、ミールホセイン・ムーサヴィーである。

[…]

■「我々の政府は、原理派であるはずだった」

・「逸脱した一派」という意味において、私は、こう言わねばなるまい。我々の政府は、原理派であるはずだった、と。原理派とは、何の指標であったのか。「ヴェラーヤテ・ファギーフ(法学者らによる統治)」の推進、そして、《Yes, we can》という敵との対峙だ。しかし、政府が、この指針から逸脱するならば、この逸脱の原因は何なのか?原因は大統領自身にあるのか?彼に影響を及ぼす誰かなのか? しかし、現実には、原理派であるはずの政府が、アメリカと協議しようなどと言い出している。それは、何故なのか?


■「大統領よ、もう、マシャーイーには関わるな」

・私は、アフマディーネジャードとの会談のなかでこう言ったことがある。「もう、マシャーイーには関わるな。あなたにも、ヘズボッラー[*3]としての誇りがあるだろう。」

*訳注3:「神の党」の意味で、体制の熱烈な支持者を指す。

「あなたは、ヘズボッラーの為すべきことの助けとなり得るだろう。しかし、マシャーイー氏は、信仰心ある原理派グループのなかで、あなたに恥をかかせているだけではないか。」アフマディーネジャードは、こう答えた。「マシャーイーは虐げられているだけだと信じている。」アフマディーネジャードよ、マシャーイーのせいで、あなた自身がどんな憂き目に遭っているのかが分らないのか?

・アフマディーネジャードよ、あなたは今日、自身の言葉や対応のせいで、人々に非難され反感を買っている。これは、我々の体制にとって良いことではない。

・アフマディーネジャードのマシャーイー支持には、いかなる妥当性も見出せない。アフマディーネジャードは、この世のいかなる論理によって、このつながりを国会で広げて見せたのか。それは、「逸脱した一派」とは何の関わりももたないではないか。

「内乱」[上記*2参照]と「逸脱した一派」は、互いに肩を組んで進んできたように思われる。両派とも共通の目標を掲げてきたからだ。体制を本来の路線から、外れたところへ歩ませようとしてきたからだ。

[…]

■「《逸脱した一派》の目的は、政権が選挙を実施しないようにすることだ」

国会選挙において、「逸脱した一派」は国会で勢力を拡大する意思はなく、各派の齟齬を示唆して選挙をかく乱しようとしていると私は見ていた。事の顛末を見るがいい。そうはならなかったというのか?今日、「逸脱した一派」は、いったい国会で何人の候補を擁立し得ているだろうか?

・私の考えはこうだ。彼らは、大統領選挙でも同じ目的を掲げている。「逸脱した一派」の第一の目的は、現政権が選挙を実施しないようにすることなのだ。そして、誰らの第二の目的は、選挙に参加しても無駄だと思わせることだ。彼らもそんなことを口に出しはしない。しかし、人々が選挙に嫌気がさすような政策を、アフマディーネジャードに取らせている。

・マシャーイーは大統領候補にはならないと、私は断言できる。もし、大統領候補になったら、上に述べたような彼らの目的に反した行動を取るからだ。

・「逸脱した一派」は、大統領選挙が実施されないことを望んでいるだけでなく、社会が混乱に陥ることを狙っている。マシャーイーは、立候補には向かわないであろう。
・[アフマディーネジャードとマシャーイーの一派が最近繰り返している]「春」というスローガンは、ビデオCD『降臨、極めて近し』の続きみたいなものである。「逸脱した一派」は、「《春》は、我らがイマームである」と言っている。つまり、時のイマーム[*4]が、明日、明後日に現れるというのだ。

*訳注4:「時のイマーム」は、終末の時に救世主として降臨すると信じられているお隠れの第12代イマームを指す。アフマディーネジャードらが用いている「春」の語は、「時のイマーム」の隠語であると一部で捉えられている。

・こうしたことを匂わせながら、彼らは、「人々よ、時のイマームは来なかった、だから、あなた方の期待は無意味なものなのだ」と言おうとしている。選挙後、「逸脱したグループ」の立ち場は、[ハータミー政権時代のイスラーム指導相]モハージェラーニーが陥ったようなものになるだろう。


■原理派の候補者たちは、薔薇園のバラである

・我々にとって、素晴らしい選挙になるであろう。皆、革命が己が道を進み、これらの有象無象の輩には目もくれないことを知っている。

・大統領選挙の候補者がぞくぞくと増えたとしても、それを脅威であるとは考えていない。これらの候補者はみな原理派であろうと予想する。彼らは、薔薇園のバラである。人々はその間を廻り、もっとも芳しきバラを探し当てるだろう。

・改革派には、もはや何も残されていない。唯一いるとすれば、ハータミーである。しかし、彼ら自身もよく分っているように、ハターミーはもはや人々には支持されない。

・改革派は、ただその名まえだけが、革命とともに生き残っている。いかなる候補者を擁立し、大統領選挙に参加したとしても、だ。彼らは、革命はハイ・スピードで進んでおり、容易に彼らを通り過ぎてしまったということを知るべきだ。

・多くの者たちが、列車から降りようとして、列車はブレーキをかけた。しかし、その者たちが降りた途端、列車は逝ってしまい、彼らだけが、駅に残されたのだ。

・大統領選挙の候補者は、できうる限り、若手であるべきだ。誰よりもパワフルであるべきなのだ。広範囲に及ぶリーダーシップを発揮せねばならない。そして、「法学者らによる統治」の論理に本心から共感し共鳴しうる人物でなければならない。また、国際的な問題に対し、語るべき言葉をもたねばならない。



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( 翻訳者:8400001 )
( 記事ID:29581 )