遊牧地に頻発する家畜ドロボー(4):遊牧民の移動路すべてを登記する計画へ
2013年05月08日付 Jam-e Jam 紙

■家畜ドロボーの手口

ギャチサーラーン県遊牧部族民局のバフマン・アーザーディー局長は、昨年、第12月だけでも、同県の遊牧部族民が所有する家畜80頭が盗難に遭ったと述べ、次のように語った。

今年に入り、この1,2か月だけでも多数の家畜の盗難被害の報告が寄せられている。今年の第1月には、凶器を手にした窃盗犯らにより、遊牧民のひとりが怪我をするという事件も起きた。このときは、窃盗団は家畜を持ち去ることには成功せず、未遂に終わったのだが。


同局長は、遊牧民の季節の移動の途中で多く家畜が盗みに遭うことに触れ、こう説明した。

このような形で盗みが行われることもある。遊牧民が、トラックのボンネットに乗り、家畜を載せて、丘を昇っていく。このとき車の速度が下がると、窃盗団は、やおらトラックに近付いてボンネットに乗り込み、羊やヤギを引きずり下ろして連れ去るのだ。この間、遊牧民はなす術もない。

[…]

■遊牧民の移動路をGIS(地理情報システム)に登録

コフギールーイェ・ボイェルアフマド州遊牧部族民局のアシュカーン・ラヒーミーザーデ事務局長は、[夏営地と冬営地の間の]移動路の問題と遊牧部族民から寄せられる、移動路が限られたものになってしまっているという苦情について、次のように説明した。

遊牧部族民の移動のルート、いわゆる移動路は、かつては広大なものであった。しかし、現在、村落や市街の拡張、国有地として遊牧民以外の者に土地が移譲されるといった理由により、移動路はさらに限られたものとなり、遊牧部族民らの移動に不都合や困難が生じる原因となっている。

ラヒーミーザーデ事務局長は、国の遊牧部族民庁の計画により、国内全域およびコフギールーイェ・ボイェルアフマド州域内の遊牧民の移動路の地図を、今後、GIS(地理情報システム)に登録すると述べ、以下のように説明した。

遊牧民の移動路は決まったルートであり、彼らはそれを明確に認識している。しかし、この地図を登録することにより、法的な観点からも、遊牧民と彼らの移動路の保護を強化することができる。

なぜなら、これまで、遊牧民の移動路は登記されたものではなかった。ただ口伝えで、ここがそうだと言われているだけだったのだ。しかし、今後は、書面で正式に登記されたものとなり、他機関への移譲は禁止されるのである。(完)


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( 翻訳者:8400001 )
( 記事ID:30041 )