マカーレム=シーラーズィー「タクフィール主義者は反イスラームを広めるための道具」
2014年11月22日付 Jam-e Jam 紙

 アーヤトッラー・マカーレム=シーラーズィーは、タクフィール主義者たちの行動は今日の世界が直面する大いなる問題の一つであると指摘した上で、「力にものを言わせる世界の列強は、反イスラーム感情を広めるために、タクフィール主義者たちや過激派の無知を利用しているのだ」と述べた。

 マルジャエ・タグリード〔シーア派の宗教権威〕である同師は、「600年前、ある人物がそれと知らずに、タクフィール主義者たちの火に油を注ぎ、彼らの思想に学問的な形を与えてしまった。彼らをこのように〔理論〕武装させたことで、彼はシーア派とスンナ派の信徒たちを殺害するための根拠を作ってしまったのである」と語った。

※訳注:ここで言及されている「ある人物」とは、のちのサラフィー主義(イスラーム初期の時代への回帰を訴えるスンナ派の思想)に影響を与えたとされる、イスラーム法学者のイブン・タイミーヤを想定しているものと思われる。彼は当時イスラーム(シーア派)に改宗してイスラーム世界の一部(イラン)を支配したモンゴル人たち(イル・ハーン朝)を、本当のイスラーム教徒と認めるかどうか判断するための基準を示し、彼らを不信仰者と認定(タクフィール)した。彼のこうした思想が、その後のスンナ派過激派の理論的支柱となっているとされる。ただし、イブン・タイミーヤは1258年生まれであり、「600年前」という数字と整合しない。

 同師は過激派組織の無知について触れ、以下のように付け加えた。「こうした者たちはイスラームのことを何も知らない。彼らは他の者たちよりも、この開明的な宗教のことを知っていると考えて、社会に危険な状況をもたらそうとしているのである」と述べた。

 マルジャエ・タグリードである同師は、「ヨーロッパ諸国は、タクフィール現象を世界中の人々の間に浸透させ、自らがその手綱を握ることが可能だということに気がついたのである」と強調した。

 同師はゴム州のテレビ局「ヌール・チャンネル」とのインタビューの中で、社会のあらゆる階層の人々、特に政治関係者や軍人、メディア関係者、ウラマーたちは、過激派の汚らわしき思想と対決する義務があると述べた上で、「この炎を〔今〕消さねば、それは燎原の火のごとく、あらゆる場所に広がっていくだろう」と指摘した。

 他方、アーヤトッラー・アッバース・カアビーは数日後にゴムで開かれる予定の国際会議「イスラームのウラマーから見た過激派とタクフィール派」の重要性について触れ、「シーアの宗教的権威(マルジャ)がこうした行動を率先して行ったのは、タクフィール派との戦いにおいて、〔シーア派の〕宗教的権威にどれだけ先見の明があり、また彼らの意識や責任感がいかに高いかを示すものである。これは実にタイムリーな行動だ」と述べた。

 カアビー師はさらに、「タクフィールは世俗的な欲望や宗教に逸脱(ビドア)を持ち込もうとする態度、狂信、怨恨、無知、不正義、妬み、後ろ向きな競争心などに起因する、倒錯した姿勢に基礎を置く形で、歴史的に形成されてきたものである。それはイスラームとイスラーム教徒、そして人類に取り返しのつかない打撃を与えている」と語った。

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( 翻訳者:dragontaro )
( 記事ID:36119 )