ラフサンジャーニー氏への批判高まる:「モンタゼリーの轍を踏むな」
2009年07月28日付 E'temad-e Melli 紙


【政治部:マフムード・プールレザーイー】アリー・サイーディー革命防衛隊最高指導者代理は、アクバル・ハーシェミー=ラフサンジャーニー専門家会議議長兼公益判別評議会議長に対し、自らの経歴を守るためにも、自身の聡明さを利用し、大アーヤトッラー・モンタゼリーに対するイマーム・ホメイニーの忠告に注意を払うよう警告した。
〔※「モンタゼリーに対するホメイニーの忠告」とは、ホメイニー後の次期最高指導者として内定していたモンタゼリーが失脚する際、ホメイニーがモンタゼリーに対してリベラル派などから身を遠ざけるよう忠告したことを指す。ラフサンジャーニーが改革派と一緒になってムーサヴィーを支持したことなどを暗に批判したもの〕

 同氏はイラン労働通信(ILNA)とのインタビューの中で、ゴム神学校講師協会会長で、〔イラン暦で〕昨年行われた専門家会議議長選挙でハーシェミー氏と議長職を争ったモハンマド・ヤズディー氏の立場を擁護する立場を示した。ヤズディー氏は、ハーシェミー=ラフサンジャーニー氏がティール月26日〔西暦7月17日〕に行った金曜礼拝での説教の後、記者会見を開き、専門家会議議長〔ハーシェミー氏〕の見解を批判していた。

 サイーディー氏は、ここ数週間ハーシェミー氏とヤズディー氏、その他の宗教指導者の間で起きている舌戦について、宗教指導者間の亀裂と解釈できるかとの質問に対し、次のように述べた。「もし指導者たちや学識者たちが基本から逸脱するようなことをしたのであれば、当然のことながら、一部の諸氏が指摘するような《団結の維持》という主張についても議論をしないわけにはいかない〔=もし誤った言動を行ったのであれば、「団結」という大義名分を盾にそれを不問に付すべきではない。団結という考え方も聖域とはならない〕」。

 同氏はさらに、「専門家会議の議員たちは危機に際して、一部の話題にも触れねばならない〔=口に出しづらいような批判も行わねばならない〕、と私は考えている。そうしなければ、国民は過ちに巻き込まれてしまう〔=誤った方向に動かされてしまう〕からだ。原理・原則が傷つけられてしまうような危機に際して、社会の指導者たちは自らの立場を表明し、体制の基礎に害が及ばぬようにしなければならない。もし団結の維持が大切だというのであれば、なぜあの御仁〔=ラフサンジャーニー〕は団結を守るようなことをしなかったのか〔=なぜムーサヴィー批判を明確にしなかったのか〕」と付け加えた。

 サイーディー氏は、「団結の維持は基本原則である。ただし、団結が体制の基礎に害を及ぼさない限りにおいて、である」と強調、さらにハーシェミー=ラフサンジャーニー氏の今後の政治生命について、「ハーシェミー氏は〔体制にとって大切な〕資産である。そのような資産にも、今まさに害が及んでいる。その一部は彼自身の考え方に原因があり、また彼の周辺にいる者たち〔「建設の奉仕者党」など〕や親類〔=ファーエゼ・ハーシェミーなど〕にも原因がある〔‥‥〕」と指摘した。

〔中略〕

 同氏は、人を守ることが重要なのはイスラームの基礎に害が及ばぬ限りにおいてであると強調して、こう述べた。「ハーシェミーは聡明な人物である。自身の価値有る経歴を守るためには、〔元の道に〕戻り、償いをしなければならない。イマーム〔・ホメイニー〕がアーヤトッラー・モンタゼリーに対して行ったあの忠告に注意を払うべきだ」。

 一方、アッバース・キャアビー氏は昨日、「先週金曜日に専門家会議の一部議員が公表した無署名の書簡は、現在、同会議の議員86名中58名から支持を得ている」と表明した。

 これに対し先の日曜日、原理派のメディア数社は、65名の専門家会議議員らがこの書簡に署名したと報じていた。この書簡の一節には、ハーシェミー=ラフサンジャーニー氏の立場を暗に批判する内容が書かれており、ティール月26日〔7月17日〕の金曜礼拝で同氏が提示した〔選挙後の騒乱に対する〕解決策に反発したものとみられる。ラフサンジャーニー氏は、専門家会議や公益判別評議会委員ら数名との共同作業で、この解決策を取りまとめたと述べていた。

 これまでのところ、マシュハドの金曜導師セイエド・アフマド・アラム=アルホダー氏とテヘランの臨時金曜礼拝導師セイエド・アフマド・ハータミー氏、及びアッバース・キャアビー氏の3名のみが同書簡の署名者として氏名が公表されている。

〔後略〕

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( 翻訳者:小澤真理 )
( 記事ID:17080 )